特徴⑤:携帯や銀行口座が他人名義である
携帯や口座の名義が本人ではない場合、彼が本物のヤクザの可能性があります。暴力団排除条項に基づき、反社会勢力は金融機関で口座を作る事が出来ません。更にNTTやKDDI、そしてソフトバンクなどの大手通信業者もヤクザとの契約をお断りしています。
とはいえ、上からの急な呼び出しやシノギの振込みなど、携帯や口座はヤクザにとっては必需品です。だからこそ、他人の携帯や口座が必要になります。一度携帯を持てば、LINEや通信傍受対策のため暗号化アプリなど、連絡を取り合う方法はたくさんあります。
ただヤクザと携帯のトラブルは頻発しており、2017年6月に神戸山口組最高幹部が、自分で使う携帯を他人名義で契約したとして逮捕されています。携帯を持つ事さえ法に触れる事を考えるなら、ヤクザになるのは非常にリスクの高い行為と言えるでしょう。
特徴⑥:警察を避ける
街で警察官とすれ違えば、誰しもが緊張すると思いますが、あからさまに警察を避ける人がいれば、本物のヤクザの可能性もあります。警察官が職務質問を行った時に、薬物の所有や注射痕が発見されれば、そのまま現行犯逮捕されてしまうでしょう。
とはいえヤクザの多くは、警察の管轄や出没エリアを把握しています。ヤクザ間の情報網は凄まじく、彼らは警察官を避ける術を心得ているのです。
特徴⑦:収入源が分からない
ヤクザは反社会勢力として、犯罪行為で生計を立てています。収入源は多岐にわたり、覚醒剤などの薬物の斡旋、オレオレ詐欺、窃盗などの犯罪行為もあれば、不動産や土建屋などの普通の会社を経営している場合もあります。
犯罪行為で生計を立てているヤクザの場合、それが周囲に知られると警察に逮捕されてしまう為、周囲にその事を悟られてはいけません。羽振りがとても良いのに、その収入源を教えてくれない人がいれば、彼は本物のヤクザかもしれません。
ちなみに、大きな組の組長の年収は数億円規模になりますが、その末端に位置する若衆などは上納金を組に納める必要が出てきます。地位が低ければ低い程、ヤクザは貧乏なので、割に合わないかもしれません。
特徴⑧:抗争事件に反応する
抗争事件とは、「ヤクザの組同士が話し合いではなく、暴力などの反社会的行為で争いを行う事」です。抗争事件では、拳銃はもちろん手榴弾やダイナマイトなどの爆発物、催涙ガスなどを用いる事もあります。
過去には抗争事件の身代わりになり出頭する事で出所後の組織の地位が約束されていました。しかし、近年では暴対法の厳罰化が進み、なかなかシャバに出る事が出来ません。近年は、抗争事件の発生数は減少しており、検挙率も減少しています。
とはいえ、現役のヤクザの中には、過去の抗争事件に参加していた人達がいるのも事実。抗争事件に強い興味を示す人がいれば、彼は本物のヤクザかもしれません。
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現在も活動している本物のヤクザ
ヤクザの特徴について解説しましたが、実際のヤクザについては知らない人も多いかもしれません。そこで、ここからは現在も活動を続ける下記5人のヤクザを紹介します。
- 司 忍(六代目山口組組長)
- 関 功(八代目住吉会会長)
- 辛 炳圭(六代目稲川会総裁)
- 井上 邦雄(神戸山口組組長)
- 曺 圭化(五代目極東会会長)
司 忍(つかさ しのぶ)(六代目山口組組長)
司忍は、準構成員も含めれば8000人の規模を持つ山口組の六代目組長です。本名は篠田建市と呼び、忍司の名前の由来は、「耐え忍んで司る」から来ています。彼が、ヤクザの世界に入ったのは1962年頃で、2005年から山口組組長となりました。
日本最大の勢力を誇る山口組の組長という事もあり、司の年収は5億円とされています。この額が多いか否かは各々の判断に委ねるとして、現在はこの額以上の年収を誇るヤクザはいないでしょう。
怖い人なのかと言えばそうではなく、決して悪口は言わず、金を貸していた相手が亡くなると、その金を香典代わりに返還を求めないそうです。また左小指を指詰めした事も判明しており、先程解説した本物のヤクザの特徴に合致する部分は多いですね。
関 功(せき いさお)(八代目住吉会会長)
関功は、準構成員を含めれば4000人の規模を持つ住吉会の代表です。2014年から住吉会会長として君臨していましたが、翌年に公職選挙法違反で逮捕されます。住吉会は2021年に新体制となり、関は名誉職である代表となり、新たに小川修司が会長となりました。
関の性格など、詳しい事は分かりませんでした。ただ関は、会長に就任していた2015年9月に、幹部達を引き連れて山口組総本部を訪れています。山口組と住吉会は、元々は距離を取っており、このように両者が交流を深めるのは異例の事でした。
山口組への訪問に、新体制の構築。関は広い視野を持つ人物である事が分かりますね。
辛 炳圭(シン・ビョンギュ)(六代目稲川会総裁)
辛 炳圭は、準構成員を含めれば3100人の規模を持つ稲川会の総裁です。彼は在日韓国人であり、現在は清田次郎と名乗っています。若き頃に、川崎で80名の不良集団を率いていましたが、山川一家を結成したばかりの山川修身と出会い、山川一家に加入しています。
辛は稲川会で頭角を現し、運営委員長、理事長補佐などを歴任。2010年に稲川会の5代目会長となり、総裁に就任したのは2019年の事でした。
ちなみに新たな会長に就任したのは内堀和也。彼は慶応出身のインテリヤクザです。20歳の頃に辛と出会い、ヤクザの世界に足を踏み入れています。彼をヤクザの世界に引き入れさせるあたり、辛も器の大きい人物である事が伺えますね。
井上 邦雄(いのうえ くにお)(神戸山口組組長)
井上邦雄は、2015年に発足した神戸山口組の会長です。井上を含めた13名は山口組から離反し、神戸に新たな組として「神戸山口組」を結成しました。構成員は1000人と山口組より少ないですが、結成から間もない事を考えれば、むしろ急成長しているといえます。
山口組と神戸山口組は対立しており、2019年時点で抗争は72件発生しています。また山口組の上納金は65万円ですが、神戸山口組の上納金は10万円まで減額されており、組員の負担は少ないようです。
井上はヤクザ界において、改革派と呼べるのではないでしょうか。
曺 圭化(チョ・ギュファ)(五代目極東会会長)
曺 圭化は、390人の構成員を持つ極東会の五代目会長です。彼もまた在日韓国人であり、現在は松山眞一と名乗っています。彼が、ヤクザの世界に足を踏み込んだのは18歳の頃で、2015年に6代目会長の座を高橋仁に譲りました。
彼は在日韓国人として、力道山や張本勲などを支援しており、在日韓国人からは「私たちの英雄」と呼ばれています。更に政治家とも強いパイプがあるとされ、日本の裏社会で大きな影響力を持つ人物と言えるでしょう。