ドラゴンの種類を一覧表でわかりやすく解説!各種の特徴も紹介

「世界にはどんな種類のドラゴンがいるの?」
「生まれた経緯も気になる…」

このような疑問を持つ人々に向けて、この記事では世界各地に伝わる伝承をもとに、ドラゴンの種類を一覧表にまとめました。各種ドラゴンの特徴から発祥地、伝説や神話も紹介します。

この記事を読めば、ドラゴンの種類を漏れなくチェックできるだけでなく、世界の神話やファンタジーの歴史についても学ぶことができますよ。

本記事のドラゴンに関する補足事項

本記事で紹介するドラゴンは、「ドラゴン(Dragon)」という単語に則って世界のドラゴンの中でも「西洋のドラゴン」を主体としています。「東洋の龍またはドラゴン」に関しては、西洋との違いの項目でのみ解説しました。あらかじめ、ご了承ください。

この記事を書いた人

Webライター

岩野 祐里

Webライター、岩野祐里(いわのゆり)。5歳の頃、イギリス史に夢中になり図書館へ通いながら育つ。大学では国際文化を専攻し、イギリス史と英文学の研究に没頭。その後、大学院にて修士課程を修了。研究論文は「19世紀英国の社会と犯罪」について。歴史全般の研究歴は11年、イギリス史は21年に及ぶ。現在はWebライターとして活動中。

ドラゴンとは神話から生まれた「空想上の生き物」

13世紀ごろのドラゴンの挿絵
出典:Wikiwand

ドラゴンとは、主にヨーロッパ大陸の神話や伝説から誕生した「空想上の生き物」です。鱗に覆われた体で翼を持ち、口からは火や毒を吐くといわれています。太古に存在した肉食恐竜のような姿がドラゴンに1番近いものでしょう。

特徴や性格はヨーロッパ各地の伝承や神話によって異なりますが、いずれも人間に危害を加える悪の対象として描かれていることが多いです。ただ、現在では恐竜のような姿が人気を呼び、映画やゲームなどの様々な媒体で人気キャラクターとして創作されています。

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ドラゴンの発祥は古代メソポタミア

ムシュフシュ
出典:Wikiwand

ドラゴンがこの世に登場したのは紀元前3500年ごろの古代メソポタミアの時代です。当時のメソポタミア文明において誕生した「メソポタミア神話」にドラゴンと思わしき生き物の描写があります。

メソポタミア神話は、シュメール人が生み出した世界最古の神話「シュメール神話」やアッカド人が生み出した「アッシリア神話」を経て形成されました。そのため、ドラゴンの誕生にはこれらの神話も関わっているのです。

メソポタミア神話には、海の女神ティアマトが生み出した2つのドラゴンが登場します。ムシュフシュとウシュムガルです。ムシュフシュはサソリの尾を持つドラゴンであり、ウシュムガルは非常に獰猛な性格をしたドラゴンとされています。この2体のドラゴンが現在のドラゴンの起源であるといえるでしょう。

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西洋と東洋におけるドラゴンの違い

葛飾北斎が描いた龍
出典:Wikiwand

同じドラゴンでも、西洋と東洋のドラゴンにはいくつか大きな違いがあります。現在では西洋と東洋のドラゴンを混同していることが多いですが、実際には「伝説の生き物」という点が似ているだけなのです。

まず、西洋ではドラゴンを「ドラゴン(Dragon)」という名で呼び、伝承や神話において「悪い生き物」として存在しています。しかし、東洋ではドラゴンを「龍」という名で呼び、「神獣」「水の神」といった「善の生き物」として崇めているのです。

中国の龍
出典:Wikiwand

さらに、西洋のドラゴンはしっかりした体躯に尻尾だけ細長く翼を持つものが多いです。それに対して、東洋の龍はヘビのように細長い体にツノとヒゲを持ち、翼はありません。

また、東洋の龍は「守護神」のような立場で神話や伝承に登場します。雨や雷を操り、海や山など自然に合わせた力を持つとされているのです。火や毒などが主な力となる西洋のドラゴンとは真逆の存在ともいえるでしょう。

ドラゴンの種類・一覧

ここでは、ドラゴンの種類を一覧表でまとめてみました。発祥地や特性なども合わせてあります。

名前発祥地特性
サラマンダー古代ヨーロッパ火・毒
レヴィアタン旧約聖書
黙示録の赤い竜新約聖書
ニーズヘッグ北欧神話
ファフニール北欧神話・ゲルマン神話
ラードーンギリシア神話守護
ヒュドラギリシア神話水・毒
テューポンギリシア神話火・毒・翼
ファイヤー・ドレイク古代ヨーロッパ
ズメイ・ゴルイニチ中欧・東欧火・毒
ワイバーンイギリス翼・毒
アンピプテライギリス
ウェールズの赤竜イギリス(ウェールズ)守護
ペルーダフランス火・水・毒
メリュジーヌフランス
リンドヴルムドイツ・北欧水・翼
ギータスペイン火・守護
マラクスペイン
クエレブレスペイン
ヴァヴェルの竜ポーランド

次から、それぞれのドラゴンについて詳しく解説していきます。

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3 COMMENTS

砂川@工場勤務の歴史マニア

今回もとても勉強になりました。

ウェールズの旗にもなっているドラゴンにはそのような謂れがあるのですね。
ヨーロッパのドラゴンは悪の象徴と言われているのに、なぜ旗に描かれているのだろうと不思議に思っていたのです。そもそもドラゴンではなくて、ワイバーンなのですね。

元ゲーム好きなので、「Skyrim」というゲームを思い出しながら拝読いたしました。
昼夜を忘れてやっていたものです。

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岩野祐里

砂川さんへ

今回もご覧くださってありがとうございます!毎回、本当に励みになるお言葉をいただき、嬉しいです。

おっしゃる通り、西洋のドラゴンは「悪の象徴」というイメージが強いですが中には良い意味で伝承されているドラゴンといます。また、一口にドラゴンといっても地域によって「ワイバーン」「ファイアードレイク」など名称が異なるところが興味深いですね。

ゲームに登場するドラゴンは素晴らしいイラストレーターさんによって美しく描かれています。私も昔ハマっていたゲームに登場するドラゴンにワクワクしたものですよ!歴史上の文献に描かれているドラゴンと比べてみるのも楽しいですね。

また次回の記事も楽しみにしていただけたら、幸いです。
本当にありがとうございます!

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ぶちこ

ゲームなどとは違って当時の絵はなかなか生々しいんですね!
やっぱり悪を表したものみたいなのだからなのかな?でもかっこいいです!
ありがとうございたしたイク

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