5位:三億円事件 – 1968年
三億円事件は1968年12月10日に発生した窃盗事件です。現金輸送車に積まれた三億円が白バイを装った犯人に奪われてしまいます。遺留品は120点あり、警察は楽観ムードで捜査するものの、時効を迎えます。
有名な犯人説として「警察官の息子」があります。彼は事件から5日後に青酸カリで自殺。ただ彼の家を捜査した際に現金は見つかっていません。仮に警察官の息子が犯人なら、警察のタブーどころの話ではないですね。
犯人は知略のみで三億円の窃盗に成功し、3億円は保険で賄われています。現金の被害額は2億9430万7500円であり、その語呂をとって「憎しみのない強盗」とも呼ばれています。
ただこの事件では25歳の府中市の運転手が誤認逮捕されました。新聞各社は彼の学歴や性格、家庭環境等を細かく報道した為、本人は職を失い一家は離散し、2008年に自殺。様々な媒体で語られる三億円事件ですが、この一件もタブーと言えるでしょう。
4位:連合赤軍事件 – 1971年〜1972年
連合赤軍は1971年から1972年に活動した極左組織です。極左は急進的な革命や暴力革命を主張し、大菩薩峠事件やよど号ハイジャック事件を起こしていたものの、幹部の多くは逮捕や死亡、国外逃亡をして勢力は弱体化していました。
連合赤軍は赤軍派と革命左派が合同した組織ですが、発足当初から総括と呼ばれるリンチが横行し、29人のメンバーのうち12人が群馬県の山中に設置したアジト(山岳ベース)で殺害されました。
山岳ベースから逃亡したメンバーは1972年2月19日からあさま山荘事件を起こし、社会に極左組織の恐ろしさを知らしめる事になりました。今では勢力を交代した共産党ですが、このような歴史があった事を今の若い世代はあまり知りません。
共産党勢力にとっては連合赤軍事件もまたタブーと言えるのかもしれません。
3位:世田谷一家殺害事件 – 2000年
世田谷一家殺害事件は、2000年12月30日深夜に世田谷区上祖師谷の住宅に住む4人が殺害された事件です。年の瀬に起きた事件であり、子供も滅多刺しにした残忍さから、現在でも特集が組まれています。
犯人は4人殺害後に邸宅に長時間滞在し、パソコンを使用したり、アイスクリームを食べていた事が判明しています。現場には多数の遺留品が残されていたものの、犯人は未だに不明なままです。指紋は過去の犯罪者とは一致しない為、犯罪歴はないとされます。
ネット上では犯人は韓国人(または中国人)という説が濃厚で、当時は最寄りの焼肉店でアルバイトをしていたそうです。また被害者一家は熱心な統一教会の信者であり、北朝鮮のスパイだったという噂もあります。
警察は韓国との関係悪化を恐れ、調査依頼を断念したともされます。また宗教団体が絡んでいるならば、事件の全貌を解明するのは、日本のタブーに切り込む事にもなるのです。事件が解決できないのは、こうした事情も絡んでいるのかもしれませんね。
2位:オウム真理教事件 – 1989年〜1995年
オウム真理教事件はオウム真理教の教祖・麻原彰晃(本名・松本智津夫)が日本乗っ取りの為に教団と対立する人物の殺害や無差別テロを行った一連の事件の事を指します。社会に与えた影響は凄まじく、この頃は連日連夜マスコミはオウムの事を報じました。
オウムが起こした事件は数あれど、1989年11月の坂本堤弁護士一家殺害事件、1994年6月27日の松本サリン事件、1995年3月20日の地下鉄サリン事件の3つは三大オウム事件とされ、多数の死者を出しています。
松本サリン事件では無関係の河野義行氏が「さもサリンを調合した犯人」と報道され、週刊新潮は河野氏の家系図を掲載。マスコミ各社は河野氏に謝罪したものの、週刊新潮だけは現在に至るまで謝罪はしていません。
オウム真理教事件はタブーではなく、現在でも時々報道特番が組まれる事もあります。ただ一連の冤罪という点は報道界にとってはタブーと言えるのかもしれません。
1位:北九州監禁殺人事件 – 2002年
北九州監禁殺人事件は1996年から2002年にかけて発生した監禁殺人事件です。犯人の松永太は拷問と虐待で被害者同士を相互不審に陥らせ、自分の手を汚さずに6人を殺害。松永は死刑判決を受け、内縁の妻・緒方純子は松永の共犯として無期懲役となりました。
今でこそ「犯罪史上稀に見る凶悪犯罪」としてネット上で様々な記事が散見されますが、ネットを見ない世代はこの事件の知名度は高くありません。家族同士の殺し合いが行われた事、洗脳や拷問の内容があまりにも悍ましかった為に報道規制がかけられた為です。
なお松永は人を支配下に置く事に天才的な才覚を持っており、取材で面会したフリーライターもあやうく取り込まれそうになったそうです。松永の存在自体が表に出てはいけないタブーな存在だと言えるでしょう。
日本のタブー事件を題材にした関連作品
題材にした書籍
日本タブー事件史
日本のタブーな事件を集めた一冊。この記事で解説した東電OL殺人事件の他、世田谷一家惨殺事件などの20件のタブーな事件の概要とその後についてまとめられています。一つのルポは短いので、電車などで読むには良い本です。
禁忌習俗事典: タブーの民俗学手帳
本書は著名な民俗学者・禁忌習俗語彙の復刊。本来は昭和13年に刊行されたもので、その当時に風化されつつあった日本各地のタブーな言葉を集めたものになります。短編集というより辞書と考えた方がよく、私達の使う単語に込められた本当の意味が見えてきます。
題材にした映画
渇き。
女子高生・加奈子(小松菜奈)が行方不明となった事をきっかけに次々と判明する事件の数々。本映画はプチエンジェル事件とナンペイ事件をモチーフにしたとされ、それを思わせる出来事も繰り広げられます。
残虐な場面の多い映画ですが、その分ハマる人にはとことんハマる内容になっています。
恋の罪
謎の変死体の捜査を行う刑事・和子(水野美紀)と捜査線上に浮かび上がる2人の女性の裏の顔を描いた作品です。元ネタはこの記事でも解説した東電OL殺人事件であり、被害女性の心理描写を3人の女性に分割しています。
R-15指定の作品であり、内容的にもかなり鬱になるので、観る時は覚悟が必要です。ただ社会的に成功している人達にも心の中にタブーなものがあり、崩壊や堕ちていくのはあっという間である事。この作品はそれをうまく表現しています。
題材にしたドラマ
セイレーンの懺悔
存続が危ぶまれる報道番組の報道記者を務める朝倉多香美(新木優子)が、とある誘拐事件の報道記者として真実を暴く作品です。その事件には警察が公表できず、報道にも規制が敷かれる「タブー」が存在していました。
本作品に登場する事件は明確な元ネタはないものの、同じようなタブーは色んな事件に存在しているのかも知れません。
トップリーグ
新聞記者・松岡直樹(玉川哲二)と週刊誌記者・酒井祐治(池内博之)が昭和最大の疑獄事件を追う作品です。政界のタブーの世界を描いた作品であり、鬼気迫る展開は圧巻の一言。原作もあるので、そちらを読む事もオススメします。
トップリーグだけでなく、セイレーンの懺悔もWOWOWで放送されたドラマです。WOWOWは有料ゆえにタブーな事件にも踏み込む事が出来るともいえ、これからも期待したいところです。
日本で有名なタブーな事件に関するまとめ
今回は日本のタブーな事件について解説しました。今回解説した事件は謎が多く、背景には日本のタブーが隠されています。本当にタブーな事件は報道もされず、私達の知らないところで闇に葬られているのかもしれません。
また今回解説した事は全てが真実とは限りません。様々な憶測が流れ、事実とは関係ない事も一人歩きしているからです。興味のある方はこれらのタブーな事件を慎重に調べ、真実に迫ってみると良いでしょう。
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