【天才】ニコラ・テスラとはどんな人?エジソンとの関係や名言、生涯を紹介

ニコラ・テスラとは、19世紀末~20世紀初めにかけて活躍した発明家です。

主に電気工学の分野に様々な功績を残しており、日本では「名前を聞いたことがない」という方もいるほどのマイナーな偉人ですが、実際にはテスラが生まれていなければ現代の文明はなかったと言えるほどの、人類にとっての超重要人物なのです。

ニコラ・テスラ

彼の発明したものは多岐にわたり、一口に紹介することは大変難しいのですが、彼の功績として最も有名なのは、間違いなく「交流電源システムの実用化」だと言えるでしょう。交流電源システムとは、現在の我々が使っている電力供給システムそのものであるため、テスラは「電気というエネルギーを、一般大衆の使えるものへと進化させた」人物だと言えます。そういう意味では、あのエジソンよりも人類文明に貢献している人物だとも言えるでしょう。

この記事は、電気工学マニアの友人から、数年間「テスラの功績」を聞かされ続け、ライターとして本サイトに携わるや否や「テスラについて書け」「テスラについて書け」と催促され続けた筆者が、満を持して執筆させていただきます。

先にも書かせていただいた通り、この記事を読んでテスラの功績を知ることで、いつもの茶の間が違って見えることは間違いありません。是非とも最後までお読みください。

この記事を書いた人

Webライター

ミズウミ

フリーライター、mizuumi(ミズウミ)。大学にて日本史や世界史を中心に、哲学史や法史など幅広い分野の歴史を4年間学ぶ。卒業後は図書館での勤務経験を経てフリーライターへ。独学期間も含めると歴史を学んだ期間は20年にも及ぶ。現在はシナリオライターとしても活動し、歴史を扱うゲームの監修などにも従事。

ニコラ・テスラとはどんな人?

名前ニコラ・テスラ
異名雷電博士
誕生日1856年7月10日
没日1943年1月7日(享年86歳)
生地オーストリア帝国・スミリャン
(現在のクロアチア)
没地アメリカ合衆国
ニューヨーク市
マンハッタン
配偶者なし
埋葬場所アメリカ合衆国
ニューヨーク州
ファーンクリフ墓地
主な研究分野電気工学、機械工学
主な発明品交流電力システム
誘導電動機
テスラコイル
テスラタービンなど

ニコラ・テスラの生まれは?

ニコラ・テスラは、1856年の7月10日の早朝に、オーストリア帝国(現在のクロアチア)のスミリャンという村で、セルビア人夫婦の次男として生まれました。

彼は幼少のころから”天才”の名をほしいままにする人物であったらしく、幼い頃から電気技術に興味を示すばかりでなく、言語、音楽、哲学などの様々な分野にも興味を示し、そのことごとくに高い才覚を見せていたと伝わっています。

出生地に建つニコラ・テスラの像

しかし彼の天才性は、元々の才能によるものだけではなく、彼が5歳の時に亡くなった兄・デンの影響が大きかったようです。

デンはニコラを超えるほどの天才であったと記録されており、そのデンが亡くなったことで、両親や周囲からの期待は全て幼い二コラに向けられることになってしまったのです。幼い二コラは、それらの周囲からの期待に応えるために猛勉強を重ねたらしく、一説では彼のIQは、”240”というとんでもない数値を記録していたとも言われています。

そんな猛勉強の甲斐あって、とりわけ理数の分野で高い才能を見出された二コラでしたが、周囲からのプレッシャーは彼の精神を大きく疲弊させていたようで、二コラは5歳という幼い頃から、たびたび幻覚を伴う強い妄想や、潔癖症などの強迫性障害に苦しめられていたようです。

ニコラ・テスラの性格は?

かなりの変わり者だった模様

ニコラ・テスラの性格は、一言で言ってしまうと「とんでもない変わり者」です。現在でも「馬鹿と天才は紙一重」という言葉が使われますが、ニコラにもこの言葉は大いに当てはまると言えます。

交流電源やテスラコイルをはじめとする数多くの天才的な発明品を残し、紛れもない天才発明家として現在の人類の文明に大いに貢献した彼ですが、その性格はエキセントリックで、狂人の域に片足を突っ込むレベルであったと言われています。

そんな彼の奇天烈な性格を示す代表的なエピソードは数多く残っており、中でも代表的なのは、「霊界との交信装置を作ろうとした」「地球を真っ二つに割る計算式を本気で考察した」という2つ。

さすがにこれらの研究は失敗に終わったようですが、テスラはこれらの研究を本気で可能なものと考えていたらしく、一度は失敗に終わった研究を、いつかは再開する気だったとも噂されています。

ニコラ・テスラの発明「交流電源装置」は何が凄いの?

ニコラ・テスラが開発した交流電源装置

ニコラ・テスラの発明品として最も重要なのは、やはり彼が生涯を通じて研究を重ねた「交流電源装置」でしょう。

勘違いされがちですが、テスラは「電気をエネルギーとして活用し始めた人物」なのではありません。テスラの発明以前も、エジソンによる「直流電源装置」によって、電気は様々な分野のエネルギーとして活用されていました。

では、テスラの発明である「交流電源装置」は、一体何が凄いのでしょうか?

その凄さを端的に言い現わすとしたら、「電力というエネルギーを、一般大衆のエネルギーにまで普及させた」というところに集約されます。

エジソンが提唱し、テスラの発明以前に普及していた「直流方式」の送電方法は、現在で言うところの乾電池による送電と同じです。もちろん「電気をエネルギーとして使える」という点では画期的な発明ですが、電圧や電流の方向が一定であるため、機械の方を送られる電流に合わせて設計する必要があります。

送電方法で画期的な発明をした

一方で、テスラの発明した「交流方式」の送電方法は、「電圧や電流の流れを変化させられる」という画期的な特長を持っていました。そのため機械設計の自由度が高く、電気を文字通り「エネルギー」として十全に使うことができる方式なのです。つまりテスラの「交流電源装置」は、「電気エネルギーの完全な利用を可能にした装置」と言えるでしょう。

ただ、勘違いしてほしくないのは「直流方式と交流方式は、単純な優劣関係ではない」ということです。

現在の我々が電源として広く活用しているコンセントは、たしかに交流方式の電気エネルギーを用いたシステムですが、電池で動く機械などは、相変わらず直流方式のシステムで動いています。さらにACアダプタなどは、「交流電流を直流電流に変換する」装置であり、現在も様々な場所で直流電流は用いられているのです。

そのため、「テスラはエジソンに勝ったから、テスラはエジソン以上に偉大な発明家だ」というのは、少しばかり短絡的な結論と言わざるを得ません。現代の電気文明は、テスラ一人に支えられているのではなく、エジソンとテスラがいがみ合いながらも、”電力”という一つのものを研究し続けてくれたから成り立っているものなのです。

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