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シャーロック・ホームズとはどんな人?生涯・年表まとめ【名言や小説も紹介】

シャーロック・ホームズとは、イギリス人作家コナン・ドイルが生み出した名探偵です。推理小説に登場する架空の人物であるにもかかわらず、小説が出版された当時から現在まで多くのファンに親しまれています。

シャーロック・ホームズ(右)と相棒のワトソン博士
出典:Wikipedia

今日にいたるまでホームズを題材にしたドラマや映画が数多く作られ、小説や文学の世界では「名探偵の代名詞」とまでいわれるようになりました。

小説に登場する1人の探偵が何故これほどまで世界中の人々を惹きつけるのでしょうか?作品を読む前にシャーロック・ホームズの魅力を知りたいという人もいるはず。

そこで今回は、シャーロック・ホームズの性格や世界に与えた影響などホームズの魅力を20年以上のホームズファンである著者が余すことなく解説いたします!

この記事を読んでいただければ、よりシャーロック・ホームズ作品を楽しんでいただけるでしょう。

シャーロック・ホームズとはどんな人物か

名前シャーロック・ホームズ
誕生日1854年
性格並外れて冷静沈着
配偶者なし

コナン・ドイルの作品に登場する架空の探偵

シャーロック・ホームズは当時のイギリス人の希望だった
出典:Wikipedia

シャーロック・ホームズとは、19世紀末のイギリスでコナン・ドイルの作中に生み出された架空の探偵です。当時のイギリスは、大英帝国と呼ばれながらも著しい産業発展による貧富の差が激しい時代でした。未発達な警察組織と多発する犯罪に当時のイギリスの人々は恐怖と苛立ちを感じながら過ごしていたのです。

そこに現れたのが名探偵シャーロック・ホームズ。階級に問わず依頼を受け、優れた頭脳と推理力でイギリス中の事件を解決していく姿はまさにイギリスの救世主のようでした。

もちろん、シャーロック・ホームズとは小説に登場する「架空の探偵」ですが、ドイルの巧みな文才によって当時の人々はホームズを実在の人物であるかのように感じていました。

ホームズの物語が掲載された雑誌は飛ぶように売れ、100年以上経った今もその人気は衰えていません。

類稀なる推理力の持ち主

短編小説『ボール箱』の挿絵
出典:Wikipedia

ホームズといえば類稀なる推理力の持ち主として知られています。彼はシリーズ作品において「殺人」「偽装トリック」「暗号」など様々な謎を解いていますが、そこには独自の推理法が用いられているのです。それはどんな推理法なのか。例として、上記の写真『ボール箱』の内容を見てみましょう。

短編小説『ボール箱』は独身女性のもとに差出人不明の箱が送られてきたところから始まります。その箱の中には人間の耳が2つ入っていました。警察は医学生の悪戯だと推測しましたが、ホームズは耳を注意深く観察し悪戯ではなく殺人事件だと推理します。

ホームズは観察のプロでもあった
出典:pixabay

2つの耳の片方は日に焼け、もう片方は小さく整った形をしていました。さらに医学的な防腐処理が行われておらず、男性らしい筆跡で単語を間違えて書いた形跡があったため「教養のない男が犯人」だと見抜いたのです。

この例から分かるように、ホームズの推理法には「観察力」「記憶力」「科学的知識」が欠かせません。観察すべき場所を素早く見つけ観察し、自分の記憶と科学的知識を照らし合わせて推理につなげていくのです。

しかし、実際にホームズの推理法を実践するには膨大な知識と天才的な頭脳が必要になります。だからこそ、天賦の才能を用いて事件を解決するホームズの活躍に人々は心を躍らせているのでしょう。

多種多様な趣味の持ち主

パイプで煙草を吸うホームズ
出典:Wikipedia

ホームズは探偵という仕事に全精力を注いでいましたが、趣味がなかったわけではありません。むしろ、多様な趣味の持ち主だったといえるでしょう。作中に登場するホームズの趣味には次のようなものがあります。

  • 煙草(論文を執筆するほどの愛煙家)
  • ボクシングや日本武術などのスポーツ
  • 化学実験
  • バイオリン(プロ並の腕前)
  • 音楽鑑賞(オペラやドイツ音楽を愛好)
  • コカイン注射
  • 読書と研究

中でも煙草に関しては強いこだわりを持っており、パイプ煙草や紙煙草から葉巻煙草まであらゆる種類の煙草を吸っていました。特にお気に入りなのはシャグと呼ばれる強めの煙草でペルシア製スリッパに入れて愛用している様子が描写されています。

バイオリンや音楽鑑賞はホームズにとって癒しの時間だった
出典:pixabay

また、ホームズはバイオリンを演奏することや音楽鑑賞も好んでおり事件の目処がつけばコンサートへ向かう描写がちらほらと見かけられました。バイオリンを弾くことはホームズにとって頭を休める時間でもあり、どんな時間であろうと気ままに弾き鳴らす姿が描かれています。

スポーツや実験、読書や研究は趣味でもあり仕事に役立つものでもありました。コカイン注射だけは相棒のワトソン博士に嗜められる趣味でしたが、ホームズは意外にも多くの趣味で人生を楽しむ人物だったのですね。

女嫌いで有名だったホームズ

短編小説『ぶな屋敷』で依頼人の女性と対面するホームズたち
出典:Wikipedia

当時のイギリスは現在よりも階級社会の影響が色濃く残っていましたが、ホームズは依頼人の階級で仕事を選り好みすることはありませんでした。しかし、女性に対してだけは紳士的に振る舞いつつもどこか冷ややかな態度を貫きます。

ホームズは作中で次のような女性蔑視とも取れる発言をしており、女嫌いではないかと読者に思わせていました。

Women are never to be entirely trustedーnot the best them.
女はとかく安心ができない。よほど立派な女でもねぇ。

And yet the motives of women are so inscrutable.
(Omission)… Their most trivial action may mean volumes, or their most extraordinary conduct may depend upon a hairpin or a curling tongs.
とはいうものの、女の考えることばっかりはわからないものでねぇ。(中略)…女はほんの些末な動きの中に、大きな意味があったり、とんでもないことをやらかすから、調べてみたらヘヤピン一本のためだったり、カール鏝のためだったり、まったくわからないものだよ。

短編小説『覆面の下宿人』の挿絵
出典:Wikipedia

このようにフェミニストとはいえないホームズですが、その一方でヴィクトリア朝の英国紳士らしく弱者を助けるという意味では女性に関しても同じように接しています。

短編小説『覆面の下宿人』では家庭内暴力の末に顔の大半を失った女性を慰めたり、短編小説『赤い輪』では変な下宿人に困っている女主人の話を嫌々ながらも聞き事件解決に導きました。

ホームズは女性という生き物に不信感を抱きながらも、決して見捨てたりはしない紳士的精神を宿していたのですね。

シャーロック・ホームズが世にもたらした功績

功績1「現代推理小説の原型を作る」

ホームズは探偵小説・推理小説の祖
出典:pixabay

シャーロック・ホームズが世にもたらした功績としてまず挙げられるのは、推理小説のジャンルを確立させ現代推理小説の原型を築いたことでしょう。

ホームズが登場する以前は小説家エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』をはじめとして、短編から長編作品まで様々な推理小説が発表されていました。しかし、その多くが人間関係や動機に焦点を当てたもので「ただの娯楽小説」という枠を抜け出せずにいたのです。

そんな中で作者コナン・ドイルが探偵シャーロック・ホームズを生み出しました。ずば抜けた推理力や観察眼を駆使して事件を解決するホームズの姿は非常に現実味があり、犯罪が多発していた19世紀当時の人々にとって非常に心強い存在となります。

短編集『シャーロック・ホームズの冒険』の初版本
出典:Wikipedia

また、変人の探偵と平凡な相棒という組み合わせも読者を惹きつける要素となりホームズ作品は階級や年代を問わず人気を得ました。ホームズの人気の高さによって、推理小説は確固たる地位を確立したのです。

アガサ・クリスティーをはじめとする多くの作家たちがホームズの影響を受けて作品を執筆。「常識的な相棒」「主人公探偵のライバル」や「偽装殺人」など、ホームズ作品で用いられたキャラクター構成やトリックは現代における推理小説の原型となりました。

功績2「科学的な犯罪捜査法を広めた」

化学実験を行う学生時代のホームズ:Wikipedia

架空の名探偵であるシャーロック・ホームズですが、実は現代における科学的な犯罪捜査法を広めた第一人者として知られています。

ホームズが登場した19世紀の警察制度はまだまだ不完全なものであり、特別な教育を受けずに警官となった人々であふれていました。当然のことながら犯罪捜査方法も杜撰なものであり、主に自白や目撃証言によって被疑者を逮捕していました。

しかし、ホームズが登場するとそれまでの犯罪捜査が一変したのです。作者ドイルが医者であったためか、ホームズ作品では当時最先端の科学的方法で捜査を行うホームズの姿が描かれました。

ホームズは指紋分析の重要性も熟知していた
出典:pixabay

ちなみに、ホームズは作中で下記のような犯罪捜査を行なっています。

  • 犯罪現場の保存
  • 足跡や指紋の分析
  • 筆跡鑑定やタイプライターの文字鑑定
  • 殺人に使われた凶器の実験
  • 犬を使った追跡

19世紀当時はいずれも発展途上の捜査方法であり、ホームズが現在の犯罪学と法科学*の先駆者的存在であることが分かりますね。当時はホームズの捜査方法を学ぶよう学生に教える専門家もいたほどです。

現代でもホームズの犯罪捜査は捜査官ならび専門家たちの高い評価を受けています。シャーロック・ホームズが現代における科学捜査の礎となったことは間違いないでしょう。

*法科学
犯罪捜査において法廷で認められる証拠分析を行う方法。

功績3「シャーロキアンの誕生」

シャーロック・ホームズ博物館の外観
出典:Wikipedia

架空の人物であるにもかかわらず、シャーロック・ホームズには「シャーロキアン」または「ホームジアン」と呼ばれる熱狂的なファンが存在します。彼らはシャーロック・ホームズ関連の団体を次々と結成。その数は400以上にものぼります。

最も有名なシャーロキアン団体は1934年にアメリカで設立された「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」とイギリスで設立された「シャーロック・ホームズ協会」ですね。日本にも「日本シャーロック・ホームズ・クラブ」があり、現在も活動中です。

シャーロック・ホームズ博物館の内観(ホームズの部屋)
出典:Wikipedia

シャーロキアンたちはホームズ作品を「正典」と呼んでシャーロック・ホームズを実在の人物として作品を研究*したり、ホームズ所縁の地を巡ったりしています。

*シャーロキアンの研究
作中にあるホームズの台詞をもじって「グランド・ゲーム」といわれる活動。ホームズの家族構成や下宿先の住所、『最後の事件』から『空き家の冒険』までの「大空白時代」などを考察・研究して発表している。
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