シャーロック・ホームズとは、イギリス人作家コナン・ドイルが生み出した名探偵です。推理小説に登場する架空の人物であるにもかかわらず、小説が出版された当時から現在まで多くのファンに親しまれています。
今日にいたるまでホームズを題材にしたドラマや映画が数多く作られ、小説や文学の世界では「名探偵の代名詞」とまでいわれるようになりました。
小説に登場する1人の探偵が何故これほどまで世界中の人々を惹きつけるのでしょうか?作品を読む前にシャーロック・ホームズの魅力を知りたいという人もいるはず。
そこで今回は、シャーロック・ホームズの性格や世界に与えた影響などホームズの魅力を20年以上のホームズファンである著者が余すことなく解説いたします!
この記事を読んでいただければ、よりシャーロック・ホームズ作品を楽しんでいただけるでしょう。
この記事を書いた人
Webライター
Webライター、岩野祐里(いわのゆり)。5歳の頃、イギリス史に夢中になり図書館へ通いながら育つ。大学では国際文化を専攻し、イギリス史と英文学の研究に没頭。その後、大学院にて修士課程を修了。研究論文は「19世紀英国の社会と犯罪」について。歴史全般の研究歴は11年、イギリス史は21年に及ぶ。現在はWebライターとして活動中。
シャーロック・ホームズとはどんな人物か
名前 | シャーロック・ホームズ |
---|---|
誕生日 | 1854年 |
性格 | 並外れて冷静沈着 |
配偶者 | なし |
コナン・ドイルの作品に登場する架空の探偵
シャーロック・ホームズとは、19世紀末のイギリスでコナン・ドイルの作中に生み出された架空の探偵です。当時のイギリスは、大英帝国と呼ばれながらも著しい産業発展による貧富の差が激しい時代でした。未発達な警察組織と多発する犯罪に当時のイギリスの人々は恐怖と苛立ちを感じながら過ごしていたのです。
そこに現れたのが名探偵シャーロック・ホームズ。階級に問わず依頼を受け、優れた頭脳と推理力でイギリス中の事件を解決していく姿はまさにイギリスの救世主のようでした。
もちろん、シャーロック・ホームズとは小説に登場する「架空の探偵」ですが、ドイルの巧みな文才によって当時の人々はホームズを実在の人物であるかのように感じていました。
ホームズの物語が掲載された雑誌は飛ぶように売れ、100年以上経った今もその人気は衰えていません。
類稀なる推理力の持ち主
ホームズといえば類稀なる推理力の持ち主として知られています。彼はシリーズ作品において「殺人」「偽装トリック」「暗号」など様々な謎を解いていますが、そこには独自の推理法が用いられているのです。それはどんな推理法なのか。例として、上記の写真『ボール箱』の内容を見てみましょう。
短編小説『ボール箱』は独身女性のもとに差出人不明の箱が送られてきたところから始まります。その箱の中には人間の耳が2つ入っていました。警察は医学生の悪戯だと推測しましたが、ホームズは耳を注意深く観察し悪戯ではなく殺人事件だと推理します。
2つの耳の片方は日に焼け、もう片方は小さく整った形をしていました。さらに医学的な防腐処理が行われておらず、男性らしい筆跡で単語を間違えて書いた形跡があったため「教養のない男が犯人」だと見抜いたのです。
この例から分かるように、ホームズの推理法には「観察力」「記憶力」「科学的知識」が欠かせません。観察すべき場所を素早く見つけ観察し、自分の記憶と科学的知識を照らし合わせて推理につなげていくのです。
しかし、実際にホームズの推理法を実践するには膨大な知識と天才的な頭脳が必要になります。だからこそ、天賦の才能を用いて事件を解決するホームズの活躍に人々は心を躍らせているのでしょう。
多種多様な趣味の持ち主
ホームズは探偵という仕事に全精力を注いでいましたが、趣味がなかったわけではありません。むしろ、多様な趣味の持ち主だったといえるでしょう。作中に登場するホームズの趣味には次のようなものがあります。
- 煙草(論文を執筆するほどの愛煙家)
- ボクシングや日本武術などのスポーツ
- 化学実験
- バイオリン(プロ並の腕前)
- 音楽鑑賞(オペラやドイツ音楽を愛好)
- コカイン注射
- 読書と研究
中でも煙草に関しては強いこだわりを持っており、パイプ煙草や紙煙草から葉巻煙草まであらゆる種類の煙草を吸っていました。特にお気に入りなのはシャグと呼ばれる強めの煙草でペルシア製スリッパに入れて愛用している様子が描写されています。
また、ホームズはバイオリンを演奏することや音楽鑑賞も好んでおり事件の目処がつけばコンサートへ向かう描写がちらほらと見かけられました。バイオリンを弾くことはホームズにとって頭を休める時間でもあり、どんな時間であろうと気ままに弾き鳴らす姿が描かれています。
スポーツや実験、読書や研究は趣味でもあり仕事に役立つものでもありました。コカイン注射だけは相棒のワトソン博士に嗜められる趣味でしたが、ホームズは意外にも多くの趣味で人生を楽しむ人物だったのですね。
こちらの記事を参考にしつつ、『シャローック= ホームズの冒険(上)』を読み終えました。1日1〜2話ペースで読むのが個人的には合っていました◎
短い話の中で、毎回読者を飽きさせない不思議な事件からのホームズの鮮やかな推理が魅力的でした。
特にお気に入りは『ボヘミアの醜聞』と『赤毛連盟』です☺︎
また他の話も手に取ってみたいと思います。
m.Aさんへ
こちらの記事も読んでいただき、誠にありがとうございます!
『シャーロック・ホームズの冒険』を読み終えたとのこと。記事を参考にしていただけて嬉しいです!私自身も「ボヘミアの醜聞」「赤毛連盟」は内容がすぐに思い出せるほど好きですよ。他の作品も、お好きな時間帯にご自身のペースで読み進めてみてくださいね。
私の記事を参考にシャーロック・ホームズの面白さを知っていただけたならばこんなに光栄なことはありません。これからも、興味惹かれる記事をお届けできるよう精進いたします。コメントいただきまして、本当にありがとうございます!