シャーロック・ホームズとはどんな人?生涯・年表まとめ【名言や小説も紹介】

シャーロック・ホームズにまつわる逸話

逸話1「ホームズ作品は社会現象のひとつ?」

ストランド・マガジン(1894年版)
出典:Wikipedia

ホームズの登場は作者ドイルも驚くほどの人気を誇り、当時のイギリス社会において一種の社会現象となります。

ホームズ作品が掲載された月刊誌「ストランド」は売上部数が50万部に達するほどの人気雑誌となり、多くの読者がホームズの活躍に一喜一憂していたのです。そのため、『最後の事件』でホームズが死んだとされた時にはイギリス中がパニックになりました。

2万人以上の人々がストランド誌の定期購読をやめ、その代わりに大量の抗議文を送りつけたのです。中には喪章をつけてホームズの死を偲ぶ人々もいました。『空き家の冒険』にてホームズが生き返った後は更に人気が高まり、ストランド誌の発売日には人々が列を成したほどです。

そして、ドイルのもとにはホームズ宛の手紙が絶えず送られてきました。「サインが欲しい」という小さなものから「現実の事件を解決してほしい」といった規模の大きいものまで、様々な内容だったといわれています。現在はシャーロック・ホームズ博物館にてホームズ宛の手紙が届いていますよ。

逸話2「人気の秘密は挿絵と文章」

ホームズ作品の挿絵を担当したシドニー・パジェット
出典:Wikipedia

社会現象を起こすほどにシャーロック・ホームズが人気を博した理由には素敵な挿絵と作者ドイルの巧みな文章力にありました。

魅力的なキャラクターや物語の構成も人気の理由ですが、挿絵と文章がシャーロック・ホームズという人物を更に素晴らしい人物へと押し上げたのです。

ホームズの格好といえば、皆さんが思い浮かべるのは鹿撃ち帽とインヴァネス・コートでしょう。しかし、これは作者ドイルが考えたものではありません。挿絵を担当したシドニー・パジェットが考え出した姿なのです。

短編『ボスコム谷の惨劇』の挿絵で鹿撃ち帽をかぶるホームズ
出典:Wikipedia

パジェットの挿絵は本来のホームズ像よりも格好良すぎると考えていたドイルですが、次第に彼の絵を気に入り名指して挿絵を依頼するまでになります。パジェットはホームズ作品のうち38本に356点もの挿絵を提供しました。

そして、魅力的な挿絵とともにドイルの簡潔で読みやすい文章がより読者を惹きつけたのです。ホームズの推理や事件の難しいトリックも分かりやすく書いてあるため、大人のみならず子どもまでホームズ作品を楽しむことができました。その結果、ホームズは全ての人々に受け入れられる名探偵となったのです。

逸話3「ホームズは作者ドイルに嫌われていた?」

ホームズの人気に作者ドイルは辟易していた
出典:pixabay

ホームズの人気は作者コナン・ドイルにとって予想外の出来事でした。ドイルは歴史小説家として評価されるのが夢であり、推理小説家として名が売れることに不満を持っていたのです。

それに加えて、掲載雑誌のストランド誌から毎日のように作品の執筆を催促されたためドイルは疲れ果ててしまいました。だんだんと自分で作り上げたキャラクターを憎むようになり、母親への手紙では度々「ホームズを殺したい」という旨を書いています。

短編『最後の事件』で滝壺へ落ちるホームズの様子
出典:Wikipedia

ドイルの母親はホームズの存続を求めており、短編『ぶな屋敷』は彼女のアイデアをもとにして書かれました。そのおかげで一旦は生き延びたホームズでしたが、短編『最後の事件』でドイルに殺されてしまいます。

しかし、ホームズを支えていたファンの要望が根強かったために結局ドイルはホームズを短編『空き家の冒険』で生き返らせることになりました。意外にも、ホームズは最後まで作者泣かせのキャラクターだったのです。

シャーロック・ホームズシリーズ小説を読むおすすめの順番

  1. 緋色の研究
  2. 四つの署名
  3. シャーロック・ホームズの冒険
  4. シャーロック・ホームズの思い出
  5. バスカヴィル家の犬
  6. シャーロック・ホームズの帰還
  7. 恐怖の谷
  8. シャーロック・ホームズ最後の挨拶
  9. シャーロック・ホームズの事件簿

これが『シャーロック・ホームズ シリーズ』を読むのにおすすめの順番です。

長編小説『緋色の研究』から読み出すことでホームズとワトソンの出会いからワトソンが結婚、ホームズのもとへ通いながら事件に赴く『シャーロック・ホームズの冒険』へとつながっていきます。

このように時系列が追えるよう読むのがおすすめです。また、下の記事では、今回紹介したシャーロック・ホームズシリーズ小説を読むおすすめの順番について詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。

もう悩まない!シャーロック・ホームズ小説を読むおすすめの順番

1 2 3 4 5 6 7

2 COMMENTS

m.A

こちらの記事を参考にしつつ、『シャローック= ホームズの冒険(上)』を読み終えました。1日1〜2話ペースで読むのが個人的には合っていました◎

短い話の中で、毎回読者を飽きさせない不思議な事件からのホームズの鮮やかな推理が魅力的でした。
特にお気に入りは『ボヘミアの醜聞』と『赤毛連盟』です☺︎
また他の話も手に取ってみたいと思います。

返信する
岩野祐里

m.Aさんへ
こちらの記事も読んでいただき、誠にありがとうございます!

『シャーロック・ホームズの冒険』を読み終えたとのこと。記事を参考にしていただけて嬉しいです!私自身も「ボヘミアの醜聞」「赤毛連盟」は内容がすぐに思い出せるほど好きですよ。他の作品も、お好きな時間帯にご自身のペースで読み進めてみてくださいね。

私の記事を参考にシャーロック・ホームズの面白さを知っていただけたならばこんなに光栄なことはありません。これからも、興味惹かれる記事をお届けできるよう精進いたします。コメントいただきまして、本当にありがとうございます!

返信する

コメントを残す