有名なA級戦犯の子孫
続いて有名なA級戦犯と、その子孫について解説していきます。今回解説するのは以下の5人です。
順番に解説していきますね。
東條英機の子孫
東條英機は、1941年10月から総理大臣を務めた陸軍軍人です。東條内閣において日本は対米戦争を決断し、太平洋戦争が勃発します。東條は戦争に勝利する為に複数の大臣を兼ねますが、最終的に日本は敗北します。東條は戦犯の筆頭として、絞首刑判決が下りました。
東條は7人の子供がいましたが、子供達は迫害や差別の対象となり、苦労したようです。ただ長男・英隆は日本船舶振興会、次男・輝雄は三菱自動車工業の社長・会長、三男・敏夫は航空自衛隊で空将補（空軍少将相当）に就任するなど、逆境を跳ね除けています。
出典：長尾たかしの・・・未来へのメッセージ
東條英機の孫は14人とされ、長男・英隆の長女・由布子は靖国神社分祀問題、慰安婦問題などに否定的な立場を取る保守派の著述家です。秀隆の孫である英利氏は神社情報専門のサイト・神社人を立ち上げた他、国際教養振興協会の代表理事などを勤めています。
東條英機の子孫は、様々な分野で活動をしているのですね。
東條英機の子孫・子供はどんな人？著名な子孫も家系図つきで紹介
広田弘毅の子孫
広田弘毅は、1936年3月に総理大臣に就任した他、第一次近衛文麿内閣で外務大臣を務めた人物です。総理大臣とした軍部大臣現役武官制を復活させる等、軍部の意向に追従的な姿勢をとった事が要因となり、文官として唯一絞首刑判決が下りました。
広田は6人の子供をもうけており、長男の弘雄は横浜正金銀行に入行し、後に日本割引短資顧問に就任しています。次男の忠雄は受験に失敗した事を悔やんで自殺した他、三男の正雄は戦前は広田弘毅の総理大臣秘書官、戦後は父の補佐弁護人を勤めました。
広田弘毅の子孫としてよく取材に応じているのは、弘雄の息子である弘太郎氏です。彼は広田弘毅の孫にあたり、三菱商事に入社した後で三国工業取締役に就任しています。彼の息子として弘一郎氏がいるものの、詳しい情報は分かりませんでした。
弘太郎氏は、祖父が靖国神社に合祀されている事には反対していると取材で述べています。ただ東京裁判のあり方には疑問を持ち、研究する意義はあると答える等、祖父の事を大切に考えている心境が伺えます。
平沼騏一郎の子孫
平沼騏一郎は、1939年に総理大臣を務めた人物です。大審院検事局検事総長や枢密院議長などの要職も務め、国本社という右翼団体の会長も務めました。戦後にA級戦犯として終身刑となり、1952年に病気の為に仮釈放となったものの、8月22日に84歳で死去します。
平沼騏一郎の子孫として有名なのが、1980年から2015年まで衆議院議員を務めた平沼赳夫氏です。彼は次世代の党党首や森喜朗内閣で通商産業大臣を務めるなど、日本の政界を牽引し続けました。
出典：Wikipedia
赳夫氏は2男1女の子どもがいて、広子氏は秘書を務めていました。長男の慶一郎氏は電通に勤務しています。次男の正二郎氏はリブート株式会社の代表取締役を経て、2017年の衆議院議員選挙に立候補するものの、惜しくも落選しています。
このように、平沼騏一郎の子孫は錚々たる人物が揃っていますが、実は赳夫氏は実の子孫ではありません。平沼は若い頃に離婚し、その後は独身を貫きました。
平沼は話し合いの末に、兄・平沼淑郎の娘夫婦（中川恭四郎 節子 赳夫）全員を養子とし、平沼姓を名乗らせています。平沼騏一郎と平沼赳夫は曾姪孫の間柄であり、実にややこしい関係なのです。
