【ピカソクイズ#2】20世紀最大の巨匠の知られざる姿とは

1916年、ピカソはロシア・バレエ団の舞台美術を担当しました。そこで、バレリーナだったロシア人女性オルガ・コクローヴァと出会い、結婚。2人は一男をもうけますが、出身階級の違いから次第に衝突するようになり、ピカソは愛人たちと密会を重ねるようになります。2人の関係は良くなることはなかったものの、1955年にオルガが亡くなるまで結婚生活は続いたといいます。

『ゲルニカ』は、スペイン内戦中にドイツ軍によって空爆を受けたスペインの町「ゲルニカ」の様子を描いた作品です。パリ万博のために壁画を制作していたピカソは、ゲルニカ空爆の一報を聞き、急遽予定を変更。｢反戦を表わす絵画」としてパリ万博に出展すべく、たった1ヶ月弱でこの作品を完成させたのだそうです。

同時に複数の女性との愛人関係を持っていたピカソ。ある日、彼のアトリエで愛人のドラ・マールとマリー・テレ―ズがはち合わせてしまいます。詰め寄られたピカソは、「どちらかに決めるつもりはない。勝手に闘え」と無責任に発言。すると、2人は殴り合いのケンカを始めたのだそうです。ちなみにピカソは、その光景から大作『ゲルニカ』のヒントを得たというのだから驚きです。

フランソワーズ・ジローが61歳のピカソと出会った時、彼女はまだ21歳の学生でした。自身も画家を目指しており、ピカソの才能に惹かれたジロー。2人は同棲を開始し、クロードとパロマという2人の子供をもうけます。しかし、ピカソの支配欲の強さに耐えられなくなったジローは子供たちを連れてピカソの元を去り、別の男性と結婚。初めて女性に捨てられたピカソは、大きなショックを受けたのだそうです。

ピカソは終生9人の女性と関係を持ち、その中で正式な妻は2人でした。最後の妻となったジャクリ―ヌと結婚をしたとき、ピカソはなんと80歳。ジャクリ―ヌは、ピカソが91歳まで亡くなるまで献身的に支え続けたそうです。ピカソが描いたジャクリ―ヌのポートレートは400点を超え、それは歴代の女性たちの中で最も多かったといいます。

幼いころから鳩が大好きだったというピカソは、その生涯で鳩を描いた作品もたくさん残しています。鳩に対して特別な想いがあったのか、妻さえ入れなかったアトリエにも鳩は特別に入れていたとか。また、フランソワーズ・ジローとの間に生まれた娘にも「パロマ（鳩）」と名付けています。

ピカソは、晩年ネイビーと白のボーダーシャツを毎日のように着ていたそう。このシャツの正式名称は「バスクシャツ」といい、北スペインのバスク地方が原産の七分丈カットソーです。パリで活動していたピカソにとって、郷愁を感じさせるアイテムでもあったのかもしれません。

ピカソは、急性肺気水腫により91歳でその生涯を閉じました。肺気水腫とは、肺胞に水が溜まって呼吸困難になってしまう病気のこと。呼吸ができず苦しんでいるピカソを見つけた妻ジャクリ―ヌが医者を呼びますが、残念ながら助かりませんでした。彼が倒れたベッドの周りには、クレヨンが散乱していたそうです。

ピカソは、絵画や挿し絵、彫刻、陶器など、生涯で15万点近い作品を制作したとして、ギネスブックに「最も多作な芸術家」として掲載されています。91歳で亡くなる数時間前まで絵を描き続けていたというピカソだからこそ、成し遂げられた偉業だといえるでしょう。

その破天荒な人生を通して、子供のように大胆で自由な発想の作品を次々に生み出したピカソ。そんな彼の芸術への姿勢がうかがえる名言です。ちなみに、「美しくない人なんて、僕は出会ったことがない。」はアメリカ人の芸術家アンディ・ウォーホル、「運命に耐えているとき、そこに真理が見える」はオランダ人画家ゴッホの名言です。