【ニーチェクイズ#3】「神の死」を告げた狂気の哲学者。

トーマス・マンは「トーニオ・クレーガー」、「ヴェニスに死す」などで知られるドイツの小説家で、ニーチェをモデルにした「ファウストゥス博士」を戦後に発表しました。

ミシェル・フーコーはニーチェの思想に影響を受けたフランスの哲学者で19世紀後半に活躍しました。代表作は「狂気の歴史」「監獄の誕生」「性の歴史」などで、1966年に発表された「言葉と物」は構造主義の先駆的書籍として親しまれました。

フランス五月革命は1968年5月に起きた学生、労働者を主体とする蜂起とそれに伴う政府の政策転換のことを指します。フランス五月革命はニーチェの思想が背景にあるとされているのです。この活動は世界各国の学生運動に波及し、日本にも影響を及ぼしたとされています。

「ツァラトゥストラ」はゾロアスター教の開祖ザラスシュトラのドイツ語訳となっています。ゾロアスター教は古代ペルシア発祥の宗教で、聖典は「アヴェスター」です。現在ではゾロアスター教の信者は世界に約10万人いるとされています。

ニーチェは若い頃にいくつかの歌曲やピアノ曲を残しています。ヴァーグナーとの出会いにも影響され、前期ロマン派的な作品をその後も作曲しましたが、自信作であった「マンフレッド瞑想曲」をドイツの代表的指揮者であるハンス・フォン・ビューローに酷評されたことが理由で作曲をやめてしまったのでした。

「人間的な、あまりにも人間的な」はニーチェの中期の代表作であり、1878年に初版を刊行しました。内容はドイツ・ロマン主義や実証主義が主で、アフォリズム（格言）を数百編連ねて構成するというスタイルを取っています。

「悦ばしき知識」はニーチェが1882年に発表した書籍で、アフォリズム形式を取りながら、多くの思索を含んだ作品となっています。この著作の中で、伝統的宗教からの自然主義的・美学的離別を決定づける「神は死んだ」という主張が生まれたのでした。

セーレン・キェルケゴールはデンマークの哲学者・思想家で、ニーチェとともに実存主義の創始者、先駆者として知られています。代表作は「死に至る病」で、イエス・キリストが友人を蘇生させた時に「この病は死に至らず」と述べたことに由来した書籍となっています。

ニーチェは晩年、精神病をきたすようになり、仕事に支障が出るようになっていきました。そのような中で空いた時間に読んだドストエフスキーの「悪霊」、「死の家の記録」などに深く感銘を受け、その思想に共鳴したそうです。

ニーチェの名言に「人間のみがこの世で苦しんでいるので、笑いを発明せざるを得なかった」との言葉があります。そのほかにも「苦しみをともにするのではなく、喜びをともにすることが友人を作る」などの名言が残っています。