黒澤明の関連作品
おすすめ書籍・本・漫画
蝦蟇の油―自伝のようなもの
黒澤が自殺未遂をした頃に書き上げられた自伝です。歯切れがよく明快な文章は、黒澤の文才を感じさせます。「世界のクロサワ」と評された黒澤も彼なりの苦悩があった事が分かります。彼は心境を知る事で、作品の奥行きが更に広がるのではないでしょうか。
何が映画か―「七人の侍」と「まあだだよ」をめぐって
1993年に実現した黒澤明と宮崎駿の対談「映画に恋して愛して生きて」をまとめたもの。あれから30年近くが立ち、映画もアニメも大きな変革を遂げました。それでも彼らが目指したもの、こだわったものは何も変わっていません。
それぞれの巨匠が胸に抱く思いを感じてみてはいかがでしょうか。
黒澤明 増補決定版: 生誕110年 (文藝別冊)
黒澤明の生誕110年を記念し、2020年にまとめられた一冊。死後何年が経っても黒澤に対する敬愛は色褪せる事はありません。数々の巨匠との対談や、黒澤が認めた映画の数々がまとめられています。
更には処女作が放映された頃の心境など、新資料も掲載されており、従来の黒澤ファンも必見の一冊です。
おすすめの動画
超貴重映像 黒澤明 映画を撮りたい君へ~メッセージ
黒澤明が映画監督を志す者達に贈ったメッセージです。黒澤は理屈や理論ではなく、まずは原稿を書き上げる事が大事と述べました。映画に限らず、全てのクリエイターにも通ずるものがあります。何年経っても黒澤の言葉は真理をついていますね。
巨匠 黒澤 明映画監督作品 ランキングTop10
海外メディアが選ぶ、黒澤映画のTop10。映画の概要や映像がまとめられており、黒澤映画を知らない人達に観て欲しい動画です。国内外におけるランキングに大きな差がなく、黒澤映画に対するリスペクトは世界共通である事が分かりますね。
宮崎駿 黒澤明 対談 (1/10) 1993年05月06日
先ほどの「何が映画か―「七人の侍」と「まあだだよ」をめぐって」は対談を書籍化したものですが、こちらは動画です。動画だと想像に対する彼らの表情や熱意が、より鮮明に伝わってきます。
おすすめの映画
黒澤明 : THE MASTERWORKS 3 DVD BOXSET
黒澤の8作品を、デジタル技術で画質と音質を高めたとの。「天国と地獄」や「隠し砦の三悪人」など、あまり紹介できなかった名作が収録されています。
更に撮影時の状況をインタビューやフィルムでまとめたメイキング映像も収録されており、ファン必見の内容です。
荒野の七人
1960年にジョン・スタージェスにより制作された西部劇映画。七人の侍をリメイクしたものであり、続編やリメイクが生まれる等の一大ムーブメントを巻き起こしました。ただリメイクは黒澤の許可を得ておらず、訴訟も起こる等の禍根を残した作品でもあります。
様々な問題はあれど、世界的ヒットを飛ばした作品に間違いはありません。今なお色褪せない名作であると共に、七人の侍との対比をするのも良いでしょう。
まあだだよ
作家の内田百閒をモデルにした映画であり、黒澤の最後の作品です。本作はとりわけ年配の方に好まれる傾向にあります。老境に達した黒澤の映画人生の「答え」が込められているのかもしれません。
関連外部リンク
黒澤明についてのまとめ
今回は黒澤明の生涯について解説しました。50年以上もの間、映画監督として様々な名作を発表しました。世界のクロサワと呼ばれるものの、巨額な赤字を背負う事もあった他、その映画人生は必ずしも順風満帆なものではありませんでした。
ただ今でも黒澤の事を尊敬する人は後を絶ちません。それは妥協せずに映画に向き合った「思い」が込められているのかもしれません。今回の記事を通じて、黒澤だけでなく、彼が携わった作品についても興味をもっていただけたら幸いです。