16位:「思い出のマーニー」の裏話
思い出のマーニーは、2014年に公開された作品。原作は1967年に出版されたイギリスの児童文学であり、心を閉ざした少女杏奈が、海辺の村に住むマーニーとの交流を通じて心を開いていく様子を描いた作品です。
作中では、マーニーは「杏奈が作り上げた空想の中の女の子」とされ、実在はしていません。ただあくまで空想の存在なのか、幽霊なのかは明言されていません。杏奈が夢遊病だったという考察もなされ、マーニーとかかわる時間は、現実と空想の狭間であるともされています。
脚本担当の丹羽圭子は、本作品を日本の子供達に伝えやすくするため、様々な工夫もしました。舞台を日本の釧路にし、携帯が普及していない程度の現代にするなどです。
ただ作中では杏奈の友人がスマホを触る場面があり、最終的に舞台は現代になりました。一応、作中でスマホなどの機器は他には登場せず、丹羽圭子の設定は活かされた形となります。
15位:「紅の豚」の裏話
紅の豚は、1992年に公開された作品。本作は1920年代のイタリアのアドリア海を舞台に、豚になる呪いをかけられた退役軍人操縦士・ポルコと、飛行艇を乗りこなす空賊との物語です。
ポルコが豚になった理由はわかりません。ラストシーンでポルコは人間に戻りますが、宮崎駿によると「10日ほどで豚に戻る」との事。ただポルコが魅力的である事と、豚か人間である事に大した意味はありません。大切なのは、外見ではなく中身であると、宮崎駿は伝えたいのでしょう。
また本作品と、次のジブリ作品の「魔女の宅急便」は世界線が繋がっていると噂されています。魔女の宅急便は第二次世界大戦を経験しなかったヨーロッパ。1920年代のヨーロッパは、世界恐慌で不穏な影が到来しつあったものの、紅の豚の世界線では世界大戦は避けられたようです。
そして魔女の宅急便に登場する家政婦バーサと、紅の豚に登場する飛行機設計技師のフィオは親戚関係にあるとされます。紅の豚に登場するフィオの親戚のお婆さんが、「ひ孫に小遣いあげたくてねぇ」という場面がありますが、このひ孫は「若い頃のバーサ」と考えられます。