第21章 双方向コミュニケーション

次のステップは、イルカに人間からのメッセージを伝えることだった。サラは水中スピーカーを使い、イルカの音声パターンを再生した。「こんにちは」を意味すると思われる音だった。数分後、イルカの群れから同じ音が返ってきた。「応答した!」チーム全員が歓声を上げた。次に「友達」を意味する音を送ると、再び応答があった。そしてイルカたちは、人間が使っていない新しい音を発した。「彼らが新しい言葉を教えようとしている」デビッドは震える声で言った。人類史上初めて、異種間の双方向会話が成立した瞬間だった。