第3章 救出作戦

サラとジェイクは海に潜った。透明度の高い水中で、子イルカの姿がはっきりと見えた。体長一メートルほど、生後一年未満と思われる。網は複雑に絡まり、子イルカの胸びれと尾びれを締め付けていた。「慎重に」サラは水中マイクで伝えた。ジェイクがナイフで網を切り始めると、周囲のイルカたちが距離を詰めてきた。攻撃ではない。見守っているのだ。十五分かけて、ようやく子イルカは自由になった。解放された瞬間、子イルカは母親らしき大きなイルカに寄り添った。そしてイルカたちは、サラとジェイクの周りを旋回し始めた。