第40章 永遠の絆

帰港したサラは、すぐに記者会見を開いた。「イルカには歴史があります。彼らは過去を記憶し、未来に伝えます。まるで人間のように」最後の発見は、世界に衝撃を与えた。国連は「種を超えた文化遺産」という新しい概念を提唱し、イルカの伝承を保護することを決定した。サラは、自分の使命を果たしたと感じた。あの日、船を囲んだイルカのSOSから始まった物語。それは、人類と海洋生物の関係を永遠に変えた。サラは引退し、海辺の小さな家で静かに暮らし始めた。毎朝、海を見つめる。すると必ず、イルカたちが姿を現す。ホープの子孫たち。彼らは今も、サラを友として訪れる。「ありがとう」サラは海に向かって囁く。「あなたたちが、私の人生に意味をくれた」波の音と、イルカの鳴き声。それは永遠に続く対話。人間と海の、終わりなき物語。サラは微笑んだ。自分の人生は、本当に幸せだったと。そして、この絆は次の世代へ、さらにその次へと受け継がれていく。永遠に。