世界&日本で起きた無差別・大量殺人ランキングTOP40

5位：日本航空350便墜落事故-1982年

日本航空350便墜落事故は、1982年2月9日に当飛行機が羽田空港沖に墜落した航空事故です。乗員乗客174人中24人が死亡し、149人が重軽傷を負いました。この事故は航空機の故障等ではなく、機長の「統合失調症」によるパニックが原因だったのです。

機長は事故の6年前から心の病を発症。一度休職するものの、職務復帰後は「問題なし」とされていましまが、実際は心の病は彼を蝕んでいました。機長は航空機を最終進入する最中、突如滑走路手前で離陸。航空機は海水に着水し、機体は2つに分裂しました。

事故の顛末を記録した「ボイスレコーダー」の中で、副操縦士は「キャプテン、やめてください!!」と機長の暴走を止めようとした事が分かっています。この言葉が世間に与えた影響は大きく、当時の流行語になりました。

問題のある機長を乗務させ続けた日本航空には批判が高まり、パイロットの検査基準が改められました。昨今は「心の病」がクローズアップされている時代です。同じ事件を繰り返さない為にも、社会全体が心の病を持つ人をフォローする体制が求められています。

4位：大阪市北新地ビル火災-2021年

大阪市北新地ビル火災は、2021年12月17日に大阪市北区の「堂島北ビル」で発生した放火事件です。火元の4階には精神科のクリニックがあり、26人が一酸化炭素中毒や火傷で死亡し、2名が負傷。犠牲者は、病院の院長や看護師、クリニックの患者でした。

犯人の谷本盛雄は、長男の頭を包丁で刺して懲役4年の判決が下った過去があり、クリニックに通院していました。居住先には、「京都アニメーション火災」の記事などが見つかっており、数ヶ月前から犯行を計画していたのです。

防犯カメラには、火をつけた谷本が逃げる人を捕まえようとする姿が映っていました。彼もまた、一酸化炭素中毒と火傷で病院に搬送され、12月30日に死亡します。事件の全容解明は不可能になったのです。

事件直前の谷本の所持金はわずか1000円。生活に困窮した末に犯行に及んだものと考えられます。コロナ禍や慢性的な不景気の中、何も持たない「無敵の人」が恐ろしい事件を起こす事が増えています。この事件は日本の闇を映し出しているのかもしれません。

3位：津山事件-1938年

津山事件は、1938年5月21日未明に現在の津山市にあった貝尾・坂元両集落で発生した大量殺人事件です。わずか2時間のうちに30人が殺害され（うち2人は重症ののちに死亡）、3人が重症を負っています。

犯人の都井睦雄は、改造猟銃と日本刀で集落の住人を次々と虐殺し、犯行を終えた後に集落から3.5km離れた荒坂峠の山頂にて、猟銃で心臓を撃ち抜いて自殺。都井が自殺したため、事件については生存者による証言しか残っていません。

現在、貝尾集落は限界集落となり、事件当時から貝尾に居住している一族は1人もいません。現地では風化されつつある津山事件ですが、横溝正史の小説「八つ墓村」のモデルになる等、未だに多くの人達の心に強烈に焼きついているのです。

2位：京都アニメーション放火殺人事件-2019年

京都アニメーション放火殺人事件は、2019年7月18日に京都市伏見区で発生した放火殺人事件です。アニメ制作会社・京都アニメーションに男が侵入し、ガソリンを撒いて放火。スタジオは全焼し、36人が死亡。33人が重軽傷を負いました。

犯人の青葉真司は、過去に強盗事件を起こしていた他、騒音等で地域住民と度々トラブルになっていました。放火をしたのも、「（京アニに投稿した）小説をパクられた」という身勝手なもの。彼もまた重度の火傷を負い、一時は命も危険もあったのです。

結果的に、青葉は一命を取り留めたものの裁判を受けられる状態ではなく、2022年2月時点で初公判の時期は未定。罪人への治療は、世論に大きな疑問を投げかけました。

なお、2021年にはこの事件を模倣した「大阪市北新地ビル火災」が起きています。事件の余波はまだ続いていると言えるのです。

1位：歌舞伎町ビル火災-2001年

歌舞伎町ビル火災は、2001年9月1日に新宿で発生したビル火災です。44人が死亡し、3人が負傷する等、戦後に日本で発生した火災の中では5番目の被害が出ました。火災は放火とされ、出火時刻にビルから立ち去る不審な人物がいましたが、確証はありません。

犠牲者44人は、全員が急性の一酸化炭素中毒でした。これは、既に内部で火災が起きていたにもかかわらず、それを知らぬままに従業員が扉を開けた事で、バックドラフトが起きた為です。その他、ビル内の避難通路の確保が不十分などの不備も見つかりました。

犯人は捕まらなかったものの、2008年7月2日にビルのオーナーなど5人に、業務上過失致死罪で禁固2〜3年、執行猶予405年の有罪判決が下っています。

こうしてランキングにしてみると、日本の大量殺人は放火によるものが多い事が分かりますね。