10位:狭山事件-1963年
埼玉県狭山市で女子高生が殺害された狭山事件。警察は部落地域に住む石川一雄さんが逮捕。1977年に無期懲役の判決が下りますが、1999年に仮出獄しました。石川さんや支援者は再審請求を行いますが、実現していません。
事件では不法な取り調べの他、証拠の捏造も行われています。犯人は被害者の父親や長兄という説もありますが、真実は不明。被差別部落の人を犯人に仕立て上げた説もあり、今も多くの憶測を生む事件です。
狭山事件とは?事件の真犯人や経緯、場所、長い間問題になっている理由について解説
9位:免田事件-1948年
熊本県人吉市で祈祷師一家の夫婦が殺害され、娘2人が重傷を負った免田事件。警察は免田町に住む免田栄さんを逮捕し、自白を強要。免田さんは死刑判決が下るものの、調書の改ざんなどが決め手となり、1983年に無罪判決が下ります。
免田さんは無罪確定後に知り合った女性と結婚しますが、世間の風当たりは強いままでした。彼は故郷から離れて暮らし、2020年に95歳で死去しました。
8位:鶴見事件-1988年
横浜市鶴見区で金融業を営む夫婦が殺害された鶴見事件。近くで電気工事会社を営む高橋和利死刑囚が逮捕され、2006年に死刑が確定しました。高橋死刑囚は裁判では一貫して無罪を主張していますが、再審の目処は立っていません。
この事件は単独犯では不可能とされ、妻も激しい取り調べを受けています。「夫は虫も殺せないような人だった」と述べるなど、妻は今でも夫の無罪を確信しています。
7位:松川事件-1949年
福島県金谷村付近で起きた松川事件。脱線事故で乗務員3人が死亡し、事故付近の線路の継ぎ目板が故意に外されていた事が判明します。国鉄労働組合の構成員ら20名が逮捕され、5人に死刑判決が下るものの、1963年に全員の無罪が確定しました。
犯人は不明ですが、労働運動を弾圧する為、警察やGHQが仕組んだ謀略説が有力です。松川事件は下山事件、三鷹事件と並び、「国鉄三大ミステリー事件」の1つとされます。
6位:松本サリン事件-1994年
長野県松本市でオウム真理教の教徒らが起こした松本サリン事件。散布されたサリンで7人が死亡し、約600名が負傷。警察は第一発見者の河野義行さんの家宅捜索を行い、マスコミは彼を犯人のように報道しました。
1995年3月に起きた地下鉄サリン事件で、事件の首謀者がオウム真理教だと発覚し、河野さんの無実は確定します。河野さんは警察やマスコミ各社から謝罪されますが、週刊新潮だけは未だに謝罪はないそうです。