現代アートの人気有名画家91選【若手や日本&海外作家など多数紹介】

「現代アートの代表的な画家やアーティストは誰?!」
「故人ではなく、現存する人気アーティストが知りたい!」
「若手で海外では有名だけど日本ではまだ無名な現代アーティストが知りたい」

このようにお考えの方も少なくないのではないでしょうか?何を隠そう筆者自身もそのうちの1人でありました。

そこでこの記事では、現代アートを代表する「THE 現代アーティスト」と呼ばれる巨匠から、「海外や業界では有名だけど一般には知られていない」アーティストや、「若手として海外のマニアの間では有名」レベルのアーティストまで徹底的に調査し、まとめてみました。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

マルセル・デュシャン

マルセル・デュシャン(フランス,1887-1968)は、ニューヨーク・ダダイズムの中心的なアーティストです。活動を始めたころは油彩画を描いていたのですが、1912年に制作を放棄します。

その後「レディ・メイド」と呼ばれる既製品をそのまま、またはサインなど少しだけ加えた「作品」の制作に着手しました。男性用の小便器に「R. Mutt」とサインした『泉』は1917年の発表当時大きな物議を醸しました。

レディ・メイドの作品の多くは現存していないのですが、1912年に描いた油彩『階段を降りる裸体 No.2』はフィラデルフィア美術館で観ることができます。こちらも近代美術を代表する作品の1つです。

奈良美智

奈良美智(ならよしとも,日本,1959-)は日本のネオポップ運動の中心人物の一人であり、アジア人で最も世界的な評価を受けている現代アーティストです。子供のようなキャラクターの絵画、ドローイング、彫刻を制作しています。 これらのキャラクターは、アニメ、マンガ、ディズニー、パンクロックなどの大衆文化に深く触発されています。

「可愛らしくも不安なイメージ」が想起されるのは様々なカルチャーの影響によるところが大きいでしょう。 2019年10月に香港で開催されたオークションで彼の作品、「Knight Behind Back」は6.5億円で落札されるなど日本の現代アーティストの中でも最高の評価を記録しています。

村上隆

村上隆(むらかみたかし,日本,1962-)は現代日本のサブカルチャーに多くの影響を受け、また影響を与え続けているポップアーティストであり、有能なビジネスマンです。日本で大量に消費されていく文化の浅さや空虚感、さらに日本美術の長い歴史のなかでの平面絵画やキャラクター文化などを表す「スーパーフラット」という概念を提唱しています。ポップな作風ですが、日本画の琳派や浮世絵の平面的な構成に影響を受けている部分もあり日本的な親しみやすさを感じさせます。

彼の設立した「カイカイキキ」は、作品の制作や次世代のアーティストの育成をはじめ多くのアート関連事業を行う会社です。ルイ・ヴィトンやカニエ・ウェストのデザインを手掛け、サザビーズで等身大フィギュアが約16億円で落札されるなど作品は高額で取引されています。2010年にヴェルサイユ宮殿で開催した個展に保守派層から反対訴訟を起こされました。賛否両論、話題の多いアーティストです。

草間彌生

草間彌生(くさまやよい,日本,1929-)は、挑発的な前衛芸術で知られる現代アーティストであり、2016年には「世界でもっとも影響力のある100人(米TIME誌)」に選ばれるなど、国を越えて著名な芸術家です。作品は絵画、彫刻、映画、インスタレーションなど多岐に渡ります。

彼女の作品の特徴で最もよく知られているのは、同じモチーフを無数に繰り返す水玉模様です。そのため彼女には「水玉の女王」という異名があります。

作品が持つサイケデリックな雰囲気は、想像と破壊、ジェンダー、人間の心理などの様々なテーマを鑑賞者に想起させます。2017年には新宿区弁天町に草間彌生美術館が開館し、さらに2019年11月にはドキュメンタリー映画『草間彌生∞INFINITY』が公開されるなど、彼女の芸術は多くの人に求められています。

ゲルハルト・リヒター

ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter,ドイツ,1932-)は「ドイツ最高峰の画家」と呼ばれる世界でも非常に高い注目を集めるアーティストの1人です。写真のぶれやピンボケなどを描く「フォト・ペインティング」や、何枚ものガラスや鏡に映りこむ風景ごと作品にする手法など、さまざまな表現を使うことで知られています。2012年には絵画「アプストラテクス・ビルト(809-4)」に生存しているアーティストでは当時最高額のおよそ26億9000万円の値がつきました。

日本では瀬戸内海に浮かぶ愛媛県の無人島・豊島で『ゲルハルト・リヒター 14枚のガラス/豊島』を観ることができます。彼によるガラスの立体芸術としては最も大きなものです。

代表作「アブストラクトペインティング」シリーズや写真と見紛う繊細な具象画「ベティ」は金沢21世紀美術館で観ることができます。また、2020年4月には東京・六本木にて個展を開催、世界初公開となる作品「PATH」の公開をはじめ新しい表現の作品を鑑賞することができます。

ジェフ・クーンズ

ジェフ・クーンズ(Jeff Koons) はポップカルチャーを主題にしたシミュレーショニズムを代表する芸術家です。アーティストとして認められる前はウォール・ストリートの仲買人をしていました。ニューヨークに工房を構え、そこでは多くのスタッフがクーンズ作品の制作にあたっています。

代表作はキッチュな「バルーン・ドッグ」や「ブルーダイヤモンド」など巨大なステンレス製の彫刻やトピアリー彫刻「パピー」などです。2019年にクリスティーズのオークションでステンレス製の彫刻「Rabbit」が存命する芸術家の作品としては最高額の約100億円で落札され話題になりました。

元妻とのセックスを露骨に描いた「メイド・イン・ヘブン」やバルーン・ドッグをモチーフとした「パピー」など作品の多くはスキャンダラスで、ネオ・ポップというジャンルのなかでもその評価は両極端に分かれています。また、その作品に非常に高い値がつくことでも有名です。「現代のミケランジェロ」と称賛される一方で、著作権侵害で何度も訴えられたりヴェルサイユ宮殿での展覧会を酷評される一面もあります。

リチャード・プリンス

リチャード・プリンス(Richard Prince)は流用(という名のコピー)で有名な現代アーティストの一人です。彼は広告や写真など既存の作品を基に、自身のアートワークを加えるシミュレーショニズム(アプロプリエーション・アート)と呼ばれる手法でシンディ・シャーマンやジェフ・クーンズらと並び、商業的な姿勢に反する前衛的な表現で旋風を巻き起こしています。

プリンスは、著作権と所有権の概念を疑問視し、再定義するために、マスメディアの画像を再利用しています。 2005年、彼の「Untitled(Cowboy)」は、オークションで1.2億円以上で販売された史上初の写真になりました。 最近では、一般ユーザーの投稿したInstagram画像を引用し、コメントのみ自分で書き換えた作品を販売しています。こちらも1000万円以上で売買されており物議を醸しました。議論と訴訟は、ある意味、プリンスの作品の一部といえます。

ダミアン・ハースト

ダミアン・ハースト(Damien Hirst)は1990年代のイギリスのアートシーンに最も貢献した現代アーティストとして知られています。「生と死」「アートとモラル」の関係性を世に問い続けているアーティストで、サメの死骸をホルマリン漬けにした『生者の心における死の物理的不可能性』や、床に置かれた牛の頭部をうじ虫が這い回りハエが育つ『千年』など、ショッキングでバイオレンスな作品が多いです。

2007年には35億円の製作費をかけてプラチナで作られた頭蓋骨に8601個ものダイヤモンドを敷き詰めた『神の愛のために』におよそ120億円の値がつき世界でも現存する美術作家の中で最も高額で作品が取引されました。ギャラリーやディーラーを通さずに作品をサザビーズのオークションにかけるという前例のない行動をとったことや、スタジオを株式会社化したりなど、ビジネスとしての成功も納めており、「イギリスで最も稼ぐアーティスト」ともいわれています。

会田誠

会田誠(あいだまこと)は絵画やインスタレーション、動画制作、パフォーマンスなどさまざまな表現方法を用いるアーティストです。「エロ」や「政治的表現」のある作品が多いとされ、作品への抗議を受けた美術館から作品の撤去依頼を受けるなどの事件もありますが、本人は「エロ路線」「社会派」などというつもりはなく穏やかな作品もたくさん作っている、という表現をしています。

全裸で四肢がなく、木につながれた女性やミキサーに大量の人がかけられている絵画などモチーフを見れば過激ともいえるのですが、高い画力や色彩感覚によって気持ち悪さよりはむしろ清潔感を感じる、見応えのある作品を多く制作される作家です。現代の政治や社会通念、倫理観などを真っ向から挑発するものが多く、それゆえ物議を醸すことも多々あります。

2012年に森美術館で開催された「会田誠展:天才でごめんなさい」の来場者は49万人を越え、非常に高い注目を集めました。 

束芋

束芋(たばいも,日本,1975年-)は、浮世絵を思わせる独特なタッチの映像インスタレーションで国内外から評価の高い現代美術家です。大学の卒業制作『にっぽんの台所』が学長賞、さらにキリンコンテンポラリー・アワード99の最優秀賞を受賞してデビューしました。2001年には横浜トリエンナーレにも最年少作家として出品し、以来世界各国でたくさんの展示を行っています。

サラリーマンなど、現代日本の日常を象徴するモチーフをどろりとした手描き線画のアニメーションで表現し、さらにそれを空間展示にすることで独特の臨場感を生み出しています。近年はドローイングや版画なども制作していて、吉田修一の小説『悪人』の挿絵も担当しました。今後ますます動向が注目されるアーティストです。

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5 COMMENTS

レキシル編集部

>守屋泰晴 さん
コメントありがとうございます。
随時追記させていただいておりますので次回更新をお待ちいただければと思います。

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お前そんなこと言うなや!!
お前も人気がない時そんなことを言われて楽しいかー!!

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