チャン・シャオガン
チャン・シャオガン(中国,1958-)は、森美術館10周年記念展でも作品が公開された、中国の現代美術作家です。文化大革命が起き、両親が中国政府に連れ去られ、シャオガンは労働のため農場に送られるなど混乱した時代を生き、うつ病やアルコール依存症とも戦った経歴を持ちます。
代表作である「血縁」シリーズでは表情のない家族を、伝統的な肖像画のスタイルで描き、社会の中での家族の内面や複雑に絡む個人と集団、歴史を表現しました。「血縁」シリーズは香港のオークションで12億円余りで落札され、シャオガンの中国画家としての名声を決定的なものにしました。
トーマス・シュッテ
トーマス・シュッテ(ドイツ,1954-)は表情豊かな人物の彫刻、花の水彩画、建築など、1980年代半ばより精力的に作品を制作し続けるドイツの現代美術作家です。「ドイツ最高峰の画家」と呼ばれるゲルハルト・リヒターに師事し、2005年のベネチア・ビエンナーレでは金獅子賞を受賞しました。それ以降もソフィア王妃芸術センターなど世界各国の美術館で展覧会を開催しています。
シュッテがヴィトラキャンパスに建設した山小屋「ブロックハウス」は丸太と金属製の屋根という2つの素材のコントラスト、下に向かって狭くなる家の形がとてもユニークで、一度中に入ってみたくなります。
マーク・ブラッドフォード
マーク・ブラッドフォード(アメリカ,1961-)カリフォルニア工科大学を卒業後、ロサンゼルスを拠点に活動する作家です。コラージュと絵画を組み合わせた抽象的な絵画で評価されています。細かい要素の集合が1つの巨大な力強い画面を作り出しています。
作品は絵画のみにとどまらず、ビデオアート、インスタレーション、写真作品など多岐に渡ります。彼の作品に影響を与えているのは、美容師の母の仕事道具です。また、一連の作品のテーマを都市環境の中に見つけるスタイルで、例えば2014年香港での展覧会では、香港の公営住宅から見た都市の問題を描いた作品「サーカス」を発表しています。
アルバート・オーレン
アルバート・オーレン(ドイツ,1954-)は、70年代後半から80年代にかけアート界に大きな影響を与えた、抽象絵画を描くドイツ出身のアーティストです。ドイツ版ニューペインティングのアーティストであるキッペルゲンガーと、前衛的なグループを結成して活動を行いました。
大胆な筆致と絡み合う色彩は、画面に躍動感をもたらし見る者を飽きさせない構図を作り出しています。それに加え、様々な表現技法をコントロールする分析的な一面も持ち合わせています。キッペルゲンガーとの共作は、2枚のキャンバスを額装して1点の作品にしたもので、異なる個性が響きあい不思議な魅力を作り出しています。
アンセルム・キーファー
アンセルム・キーファー(ドイツ,1945-)は、歴史、神話や聖書といった壮大なテーマを、縦横数メートルにも及ぶ巨大な画面に描く作家です。キーファーは芸術作品に込められた意味や、画面やかたちの向こうにある思想をとても大切にしていました。絵画作品では下地に砂、藁などを混ぜた重厚な画面とともに古代から現代までのドイツの歴史、古くから多くの人に読み継がれてきた神話や聖書の物語が迫ってくるかのようです。
写真作品「占領」ではキーファー本人がヨーロッパ各地でナチス式の敬礼をしているなど、ドイツの負の歴史も題材にしたことで知られています。
エイドリアン・ジェニー
エイドリアン・ジェニー(ルーマニア,1977-)はパレットナイフとステンシルで絵の具の層を重ねて描かれた、人物を含む風景画は彼の優れた色彩感覚が発揮されていることもあり、ドラマティックなひとつの世界を作り出し見る者を魅了します。描かれている人物は虐殺や大量虐待に関わった人物の肖像画であることも多く、負の要素が絵画の向こうにある作家の思想にまで観客を導いています。
ルーマニアの芸術家としてサザビーズで最高額を記録した「1937年のひまわり」は、明らかにゴッホの「ひまわり」から着想を得ていますがひまわりにさす濃い影や、動きのある筆致がとても現代的な表現となっています。
ゾン・ファンジー
ゾン・ファンジー(曾梵志,Zeng Fanzhi,中国,1964-)は、絵画作品「最後の晩餐」が1億香港ドルを超える価格で落札されるほどの実力をもったアーティストです。これはアジア現代美術アーティストとしては初めての快挙となります。
曾梵志はアメリカの抽象表現主義に影響を受けながらも早い時期から独特のスタイルを完成させた作家です。代表的なシリーズの1つである「病院」シリーズでは、赤みがかった肌と誇張された輪郭線で患者の姿が描かれており生々しくもコミカルな印象を与えます。
また「マスク」シリーズでは、よりコミカルに同じ顔のマスクをつけた人々が描かれており現代の偽りの多い人間関係を率直に表現しているようです。
キース・ヘリング
キース・ヘリング(アメリカ,1958-1990)は、アンディ・ウォーホルやバスキアと同じく、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティストです。ニューヨークの地下鉄で使われていない広告板に描いたドローイングをきっかけに、多くの人々に知られるようになりました。大勢の人が揺れ動いているかのような絵は、子どもから大人まで誰もが楽しむことのできるものです。
絵画のみならず舞台デザインやワークショップも手掛け、国際的に高く評価されています。社会貢献活動を多く行ったことでも知られており、特に自身がHIV感染者となったことから作品を通じてHIV感染予防のためのメッセージを発表しました。
ヴィック・ムニス
ヴィック・ムニスは、意外性のある素材を使った作品制作で有名なブラジル出身のアーティストです。針金や色紙はもちろん、ダイヤモンドやチョコレートなどおよそ美術作品では使われないものも利用し、歴史に残る報道写真や名作絵画などを再現しています。
「ヴィック・ムニーズ ごみアートの奇跡」は、ムニスがアートの力でサンパウロのゴミ処理場で働く若者たちの人生を変えていくドキュメンタリー映画です。また、駐日ブラジル大使館のファサードには「Pictures of Postcards」シリーズの1つ「Ipanema」が飾られています。
内藤礼さんも是非。
大竹伸朗さんは、人気が無いのですか?
>守屋泰晴 さん
コメントありがとうございます。
随時追記させていただいておりますので次回更新をお待ちいただければと思います。
お前そんなこと言うなや!!
お前も人気がない時そんなことを言われて楽しいかー!!
どうでも良いんじゃい