第10位:斎藤道三(さいとう どうさん)
斎藤道三とは、戦国時代に美濃(現在の岐阜県)で活躍した武将です。油売りから武士となった後に下剋上を繰り返し、美濃国の当主になりました。織田信長の正室である濃姫の父親でもあります。
斎藤道三は、非常に冷淡な一面を持つ人物です。彼は小守護代*である長井長弘の家臣でしたが、領主間の争いで長弘を殺害。最終的には、美濃国の守護大名である土岐頼芸も追放して美濃国主となります。
長弘は道三を頼芸に紹介したり、名を与えた恩人でした。頼芸も道三をとても信頼していたのです。にも関わらず、彼らを冷淡に排除した斎藤道三。彼はこれらの行いから「美濃のマムシ」と呼ばれています。
小守護代とは、中世における日本諸国の守護代官の家臣のことです。守護代官とは国ごとの行政や軍事を統治する武士の役職であり、室町幕府の職務の1つでもあります。
第9位:足利尊氏(あしかが たかうじ)
足利尊氏とは、室町幕府初の征夷大将軍となった武将です。幕府設立後も弟の直義との対立など、数多くの苦労を経験します。しかし、晩年まで室町幕府の安定に奔走しました。
足利尊氏は偉大な武将でもありますが、日本三悪人の1人に数えられています。その理由とは「後醍醐天皇と対立したから」です。両者は衰退した鎌倉幕府を滅亡させるなど、元々は良好な関係でした。
しかし、尊氏が鎌倉幕府の残党に対する鎮圧に無許可で動き、家来たちに恩賞を与えるようになったことで対立するようになります。最終的には和睦しますが、明治時代では「朝敵」だったと批判されました。
第8位:足利義教(あしかが よしのり)
足利義教とは、室町幕府の第6代将軍として活躍した人物です。くじ引きで将軍となったために、「くじ引き将軍」とも呼ばれています。義教は勘合貿易を再開し、将軍直属の軍隊編成を行うなど幕府の権力向上に取り組みました。
足利義教は幕府の行政に貢献した一方で、恐怖で周りを支配するという恐ろしい性格の持ち主でもあります。「酌の仕方が悪い」「将軍を笑った」など、細かい事で怒り狂い厳しい処罰を課しました。
説教をしようとした僧侶などは熱せられた鍋を被せられ、舌も切られています。義教の恐怖政治を恐れた人々は彼自身を「万人恐怖」と呼びました。
第7位:徳川綱吉(とくがわ つなよし)
徳川綱吉とは、江戸幕府の第5代将軍として活躍した人物です。孔子を始祖とする儒学を反映させた政治を行いました。親を大切にし、主君に忠義を示すことを国民に求めたのです。
道徳感あふれる綱吉の政策は、一方で悪政とも呼ばれる「生類憐みの令」を発令しました。生類憐みの令とは動物や捨て子、病人の保護を目的とした法律だったのですが、この法律で幕府の財政が悪化したのです。
この法令によって何万匹もの野犬を収容したのですが、それには年間で3万両(約30億円)の費用がかかりました。そのため、周囲の反感もあって綱吉の死後に生類憐みの令は廃止されたのです。
第6位:蘇我入鹿(そが の いるか)
蘇我入鹿とは、飛鳥時代の豪族であり、大臣の蘇我蝦夷の息子です。非常に優秀な人物で、当時の国際情勢など政治を考えるうえで重要な学問を多数学んでいました。
しかしながら、蘇我入鹿は父の蘇我蝦夷とともに独裁政治を行ったことで有名です。両者とも大臣として天皇の傍にいながら、実質的には政治の実権を握り天皇を無視した国政を行いました。
皇位争いにて、敵対していた聖徳太子の息子である山背大兄王を殺害。これを契機に入鹿と蝦夷は周囲から更に敵視され、後の乙巳の変にて中臣鎌足に暗殺されます。
歴史とは難しいもので、善悪だけで判断できませんし、そんなに単純な事ではありませんよね。
記事の結びでの、
「歴史の人物を学ぶときは1つの視点からではなく、いろんな方向から見ることが必要です」
同感でございます。
ライターの方が、注意深く、そして客観的に作成されたことが何となくですが読み取れました。
それでいて、とても分かりやすい記事。
大変勉強になりました!!
砂川さんへ
こちらの方にもコメントをくださって嬉しいです。ありがとうございます!
悪人と呼ばれる人々にも善人の面があり、善人と呼ばれる人々にも悪人の面がありますよね。この記事では、「悪」の視点のみから考察していますが、客観的にまとめることを大切にしました。だからこそ、あえて歴史を学ぶうえで重要なのは視点の多さだと伝えられたらと思います!その点を共感してくださって、本当に嬉しいです。
「悪人だと思ってたけど、時代によって違うんだ!」
「善人だと思ってたけど、非道な面も持っていたんだね…!」
記事を読んでこのように思ってくれたら嬉しいですね。今回の記事のように、歴史の面白い情報と歴史を学ぶうえで大切だと思うことを今後もたくさん伝えていきたいと思います!
今後もレキシル記事を読んでくださると嬉しいです。
改めまして、コメントいただきありがとうございます!