“仕事のやる気を出したい”ときにおすすめな小説5選
神去なあなあ日常
読んでみて
三浦しをんの『神去なあなあ日常』は、高校を卒業したての主人公が三重県の山奥・神去村を舞台に林業に「ゆるく」打ち込む物語です。2014年には染谷将太主演で「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」にもなりました。続編には『神去なあなあ夜話』があり、シリーズは累計35万部を超えています。
卒業後の進路を決めていなかった主人公・平野勇気は、卒業式終了後に担任から就職先を言い渡され、何も知らされないまま三重県神去村にやってきます。就職先は林業会社、山仕事の天才・ヨキの家に居候しながら山の手入れに従事する日々が始まるのですが…。何度も脱走を試みていた主人公が徐々に林業の魅力に目覚めていく様子は、まさに社会人の「青春」といえます。
みんなのレビュー
実際はこんなに上手くいかないだろう。楽しいことばかりではないだろう。でもエンターテインメント小説はこれでいい。三浦しをんさんのお仕事小説はこうした気楽に安心して読める雰囲気が心地良い。
引用元:読書メーター
ガール
読んでみて
奥田英朗の『ガール』は、30代の働く女性たちをそれぞれ主人公にした短編集です。2012年には香里奈主演で映画にもなり、たくさんの女性の共感を集めました。主人公たちは「既婚・子供なし」「独身・彼氏なし」などそれぞれに状況が異なりますが、もう会社で「若い女の子」扱いはされない30代という年齢や将来に不安を感じ、葛藤を抱えている部分は同じです。
表題作の「ガール」は、広告代理店勤務の32歳・由紀子が主人公。まだ20代の後輩たちと張り合って見た目は若々しくしているのですが、38歳の先輩「お光」のギャルのような立ち居振る舞いを見て憧れを覚えたり、また逆に反面教師にしようと決意したりしています。この「年齢相応の装い・振る舞い」という問題は日本独特のものと言われていますが、どうしてもサバイブしていかなければならないアラサー女性たちにぜひ読んでほしい1冊です。
みんなのレビュー
おさがしの本は
読んでみて
読書好きの人なら1度は憧れる「図書館司書」という職業。門井慶喜の『おさがしの本は』は、図書館のレファレンスカウンターに勤める男性を主人公にした連作短編集です。
「レファレンス」とは利用者の調べもののお手伝いをしてくれる図書館のサービスのこと。主人公・和久山隆彦は大学卒業後、司書として就職したのですが「コーヒーの飲めないカフェ」のような図書館の現状に諦めの気持ちで働いていました。けれどもレファレンスカウンターにもちこまれる謎や、物語の中盤に起こる図書館にとっての大事件などで主人公は徐々に変わっていき、成長を見せる姿に読者もやる気が起こります。
みんなのレビュー
図書館のレファレンスカウンターで働く職員の成長を描く。1話完結で図書館ならではのミステリーや謎解きがあり職員の人の仕事の大変さを実感しました。実際に図書館で働こうと思ったら沢山の知識がいるんやろな。
引用元:読書メーター
本日は、お日柄もよく
読んでみて
原田マハの『本日は、お日柄もよく』はスピーチライターという少し馴染みのないお仕事をモチーフにした小説です。スピーチライターとは、政治家などの演説を話し手に替わって執筆する人のこと。スピーチは演説をする人自身が書いているのではなく、プロの書き手が技術を駆使して書くから説得力が生まれるのですね。
主人公のOL・二ノ宮こと葉は、ひそかに好きだった幼馴染の結婚式に最悪の気分で出席しているときに聞いた祝辞に涙が出るほど衝撃を受けます。その祝辞を書いたのは伝説のスピーチライター・久遠久美。こと葉は迷わず彼女に弟子入りし…こと葉の成長ストーリーとしても感動できますが、言葉の持つ力にも圧倒されるお仕事小説です。
みんなのレビュー
ミッキーマウスの憂鬱
読んでみて
誰もが憧れる夢の国・東京ディズニーランド。その華やかな舞台のバックステージで働いている人はどんな仕事をしているのか、興味をもったことがありますか?松岡圭祐『ミッキーマウスの憂鬱』は、東京ディズニーランドを舞台にした史上初のお仕事小説です。
主人公の派遣社員・後藤大輔はあるときディズニーランドが派遣先になり、「みんなに夢を与えられる!」と大きな希望をもって働き始めます。けれども夢の国といえども舞台裏は社会の縮図、大輔は理想と現実の間で葛藤を覚えながら働くことになるのですが…。青春小説でもあり、友情小説でもあり、さらに「仕事とは何か」という問いにヒントを与えてくれる1冊です。
みんなのレビュー
実際のバックステージは…と想像させる一方、 題材を利用した話の展開がサイコーでした。 今すぐ行きたくなりました。
引用元:読書メーター