“キュンキュンしたい”ときにおすすめ恋愛小説7選
阪急電車
読んでみて
有川ひろ(有川浩)の連作短編集『阪急電車』は、兵庫県にある阪急今津線を舞台に、乗客たちが繰り広げる小さなエピソードを描いた作品です。阪急宝塚駅から西宮北口駅までの8つの駅での出来事が1往復分の全16話で描かれています。
阪急今津線の宝塚駅から北口駅までは、およそ15分。その間に描かれる恋模様は、恋の始まりもあれば別れの兆しもあります。けれども、そのとき乗り合わせただけの乗客たちの人生が少しずつ重なってやがて希望の物語が見えてくるさまにキュンとしますし、なにより「人生も捨てたものじゃないな」と心を温めてくれます。
みんなのレビュー
登場人物の感情描写がとても繊細。さすがは有川先生。ただの短編集かと思いきや、個人の物語が、他者の物語と交わって新たな物語へと展開していく点は特に趣向が凝らされていたように思います。
引用元:読書メーター
ぼくは明日、昨日のきみとデートする
読んでみて
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は2014年に出版された七月隆文の小説です。2016年には福士蒼汰と小松奈々の主演で映画化もされました。
京都の美術大学に通う主人公・南山高寿は、通学電車で出会った福寿愛美に一目ぼれ。勇気を出して声をかけ恋人同士になるのですが、ことあるごとに涙を流す彼女には大きな秘密があったのでした…。この少し不思議なタイトルの意味が分かると涙腺が決壊してしまう、感涙必至の恋愛小説です。
みんなのレビュー
恋愛寫眞 もうひとつの物語
読んでみて
純愛小説の名作が多い市川拓司。ここでご紹介する『恋愛寫眞 もうひとつの物語』は、2003年に発表された映画「恋愛寫眞 Collage of our Life」とコラボレーションの形で書かれた作品です。この作品を原作とした映画「ただ、君を愛してる」も2006年に発表されています。
大学生の瀬川誠人は、イノセントな雰囲気が漂う同級生・里中静流と出会います。誠人には片思い中の女性がいたのですが、静流は誠人に思いを寄せるようになり…と書くと三角関係の話のようなのですが、物語の後半で静流の秘密が明かされると胸が締め付けられるほど切なくなります。クライマックスで誠人が出会う女性の言葉が心に沁み、人との出会いや関係を大切に慈しみたくなる作品です。
みんなのレビュー
百瀬、こっちを向いて。
読んでみて
『夏と花火と私の死体』『GOTH』シリーズなどで有名なミステリー小説家・乙一(おついち)。彼のいくつかある別名義の1つ・中田永一の名前で書かれたのがこの恋愛小説集『百瀬、こっちを向いて。』です。表題作は2014年には早見あかりの主演で映画化もされています。
表題作のほか、「なみうちぎわ」「キャベツ畑に彼の声」「小梅が通る」の全部で4作品が収録されています。どの作品もラストシーンが素敵で、読後感が爽やかです。今まで恋愛小説をあまり読んでこなかった人には特におすすめの作品です。
みんなのレビュー
6年前くらいかな… 友達のオススメで読みました。 短編で、ちょっぴり切なさがあり、ちょっぴり微笑むことができました。
引用元:読書メーター
勝手にふるえてろ
読んでみて
2004年に史上最年少で芥川賞を受賞した綿矢りさ。彼女が2010年に発表した『勝手にふるえてろ』は、恋愛経験のない26歳OLが理想の恋愛と現実との間で悩むお話です。2017年には松岡茉優の主演で映画化もされています。
主人公の江藤良香(ヨシカ)は中学2年生のときから同じ男の子に片思いしているのですが、そんな彼女の前についに熱烈に愛してくる男性が現れます。もはや理想となっている片思い中の彼と現実に告白された男性の間で揺れる主人公の気持ちに覚えがある人も多いのではないでしょうか。時に妄想が爆発してしまう主人公はキュートで愛しく、読み終わった後少し恋愛に前向きになれます。
みんなのレビュー
26歳の「こじらせ女子」良香のむきだし喜怒哀楽に、はじめは笑いながら、だんだん泣けてきました。気づけば、私は昔からの友達のような気持ちになっていて、彼女の歪な感情も何もかも、可愛くてたまらなくなっていました。
引用元:読書メーター
言い寄る
読んでみて
田辺聖子の「乃里子シリーズ」第1弾の『言い寄る』。発表されたのは1973年と今から半世紀近くも前ですが、今なお読み継がれる田辺の最高傑作です。「乃里子シリーズ」はこの後に『私的生活』『苺をつぶしながら』と続きます。
主人公は31歳のフリーデザイナー・乃里子。仕事もうまくいっているうえ、素敵な男性たちにも言い寄られて絶好調の日々を送っているのですが、長年に渡って愛している幼馴染の五郎にだけはどうしても言い寄ることができません…。男性が読むと女性不信気味になるかもしれませんが、女性は熱く共感を覚えるに違いない恋愛小説です。
みんなのレビュー
センセイの鞄
読んでみて
川上弘美の『センセイの鞄』は、2001年に谷崎潤一郎賞も受賞した長編恋愛小説です。「恋愛小説」と書きましたが、どちらかというと純文学として受け入れられているように思います。純文学作品にも恋愛を主題に取り上げたものが多くあり、この『センセイの鞄』はその代表作といえます。
主人公の大町月子(ツキコさん)は、行きつけの居酒屋で高校のころの古典の先生だった「センセイ」こと松本春綱と再会します。およそ30歳も年の離れた2人でしたが、最初はいい飲み仲間として、徐々に男性と女性として互いを意識していきます。主人公は30代後半、センセイも60代後半という大人の恋愛ですが、もどかしくそして穏やかで、ずっと読んでいたくなります。
みんなのレビュー
とても面白かった。 ふわふわの空気感。とぼけた感じ。 ツキコさん。センセイ。 二人の会話が今でも近くで聞こえるような余韻。 終わり方も大変良かった。
引用元:読書メーター
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