“泣きたい”ときにおすすめ感動小説7選
君の膵臓を食べたい
読んでみて
住野よるのデビュー作『君の膵臓をたべたい』は、2015年に出版され若者を中心に人気を博した小説です。元々は住野が文学賞に応募しようとして書いた小説が応募規定より長くなってしまい、それならと小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿したところ出版に至った作品でした。2017年には実写映画に、2018年にはアニメ映画にもなっています。
人との関わり合いを持たない主人公「僕」は、病院で「共病文庫」というタイトルの文庫本を拾います。主人公のクラスメイト・山内桜良の日記帳だったその文庫本には、桜良が膵臓を病んでいて余命1年であることなどが記されていました。主人公は桜良の病気という秘密を唯一知る身内以外の人間になります…2人が徐々に交流を深めていく様子や主人公の決意、そしてこのある種衝撃的なタイトルの意味に気づいたとき、泣けてしまって仕方なくなります。
みんなのレビュー
泣いた! はいはい、病気で誰かが死んでしまう話でしょー子供のロマンスでしょー、と斜に構えて読み始めたのがいい意味で裏切られた。悲しさと感動のミックス涙がとまらない。最近泣いてなかったのでストレス発散させてもらいました。
引用元:読書メーター
とんび
読んでみて
児童文学から大人向けの作品まで、幅広い作風をもつ重松清。『とんび』は、広島県を舞台に男手一つで息子を育てた男の半生を描いた作品です。重松のほかの作品と同じように、登場人物の繊細な心の動きが丁寧にすくい取られている名作です。
高度経済成長期の1962年、運送会社に勤務するヤスは愛する妻と生まれたての息子に囲まれて幸せな毎日を送っていました。しかしヤスの仕事場で妻が事故に遭い、亡くなってしまいます。妻を亡くした後悔と自らの心の傷を抱えながらも、男手ひとつで不器用に息子を育てていく姿は読者に親・自分・そして子どもたちというつながりを思い起こさせます。
みんなのレビュー
初めて本を読んで泣いた。自分もアキラと同じような境遇であったからか少し重なる部分もあった。家族というつながりをもっと大切にしたいと思った。
引用元:読書メーター
西の魔女が死んだ
読んでみて
『西の魔女が死んだ』は、ファンタジーを多く描いている作家・梨木香歩の映画化された作品です。タイトルに「魔女」とありますから、この作品も魔法がたくさん出てくるファンタジー?と考えている人もいるでしょう。けれども、この作品には空を飛んだり何かを出現させたりするような魔法は出てきません。
中学生になってまもなく、学校に足が向かなくなってしまった少女・まいが主人公です。不登校になったまいに困ってしまったお母さんは、自分の母であるまいのおばあちゃん、通称「西の魔女」のところにまいをしばらく預けることにします。まいはおばあちゃんに魔法の手ほどきを受けるのですが…「自分の喜びや幸せを自分で決めること」を大切にするおばあちゃんとの毎日、その時間が魔法だったのかもしれません。
みんなのレビュー
ツナグ
読んでみて
『オーダーメイド殺人クラブ』『盲目的な恋と友情』など、人間の内にある孤独感やくすんだ気持ちを描く作品で知られる辻村深月。ファンの間で先に挙げた2作品は「黒辻村」と呼ばれているのですが、ここでご紹介する『ツナグ』は「白辻村」と呼ばれています。
一生に1度だけ、亡くなった人との再会を叶えてくれる「使者(ツナグ)」。この物語は、一夜限りの再会を果たした生者と死者を描いた物語です。「使者」に出会えるのは一生に1度だけ、再会できる死者も1人だけというと年をとるほどに選ぶのが難しくなってしまいますが、自分なら誰と会いたいだろうか…と考えて温かい気持ちに満たされます。
みんなのレビュー
身近な人を亡くしたことのある人なら特に、あの人はどこへ行ってしまったんだろう、と理屈抜きに純粋に考え込んでしまった経験はないだろうか。あの影と形はどこへ消えてしまったのかと。現世に残された側にとっても、あの世から呼び戻される側にとっても、チャンスは一度だけ、一人だけとしたら、自分だったら誰に会うか?考えると自分を見つめざるを得ない。
引用元:読書メーター
永遠の0
読んでみて
『永遠の0』は放送作家として長年活躍してきた百田尚樹の小説家デビュー作です。2006年に出版されて少しずつ話題を呼び、2013年には文庫本の販売冊数が300万部を突破しました。映画や漫画、テレビドラマにもなった超人気作です。
大学生の佐伯健太郎は、祖母の四十九日法要で先に亡くなった祖父・賢一郎と血がつながっていないことを知らされます。それから6年後、姉の慶子とともに特攻隊として戦死した実の祖父について調べることになるのですが、存命の証言者の話を聞いていくうちに謎は深まっていき…第二次世界大戦という大きな戦争、そしてそれに否応なしに飲み込まれていったそれぞれの人物の生き方に胸を打たれる作品です。
みんなのレビュー
零戦パイロットだった死んだ祖父の生涯を孫が調べていくという展開。徐々に謎が解けていくストーリー展開にグイグイ引き込まれ、涙無くして読み進められなくなっていった。
引用元:読書メーター
天国からはじまる物語
読んでみて
ガブリエル・ゼヴィンの『天国からはじまる物語』は、2005年に出版されて世界15か国語で翻訳されたベストセラー作品です。ゼヴィンはアメリカの小説家で、ヤングアダルト小説や大人向けの小説を多く書いています。こちらの作品もヤングアダルト向けの作品として出版されましたが、大人でも、大人だからこそ感動できる作品となっています。
15歳の少女・リズがひき逃げ事故に遭って死んでしまうところから物語は始まります。大きな船に乗ってたどり着いたのは地上での人生を終えた人たちが暮らす「Elsewhere」。1年に1歳ずつ若返っていくこの場所で、リズの新しい生活が始まります…大人になれなかった、という悲しみをもつリズが自らの死を受け入れていく姿に、胸の奥があたたかな気持ちで満たされます。
みんなのレビュー
ファンタジーなんだけど、大切な何かを失った時、人はこんな風にやりきれない気持ちになるのではと考えてしまった。後半はあたたかくて優しいお話。読んでみてよかったです。
引用元:読書メーター
十二番目の天使
読んでみて
オグ・マンディーノはアメリカの小説家です。自己啓発書作家としても知られていて、『世界最強の商人』など彼の自己啓発本は世界中の多くの人に読まれています。けれども、ここでご紹介する『十二番目の天使』は絶望から始まる希望の物語です。
主人公のジョン・ハーディングは、大手企業の社長に就任し故郷に戻ってきた矢先、愛する妻と息子を事故で失ってしまいます。人生に絶望し拳銃自殺を遂げようとしたときに訪ねてきた幼馴染のビルは、傷心のジョンに少年野球チームの監督になることを勧めてきて…展開としてはありふれたものと感じる人も多いかもしれません。けれども、私たちは感動するのはどんでん返しのある展開だけではなく、ありふれた優しさのある展開にこそ温かさを感じられるのではないかと思います。
みんなのレビュー
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