15年間人間を憎み続けた巨大象が、初めて人間を信じた瞬間に起きた奇跡

職場での変化

出典:Midjourney

ダンボとの関係が変わったことで、私自身も大きく変化しました。
以前は人見知りで、同僚との会話も必要最小限だった私。でも、ダンボとの経験を通して、「相手のペースに合わせることの大切さ」を学んだのです。
「エミリー、最近明るくなったね」
同僚のリサさんに言われました。
「ダンボから教わったんです。信頼関係は急には築けないけれど、毎日の小さな積み重ねが、いつか大きな絆になるって」
その話を聞いた同僚たちは、皆感心してくれました。そして、私の周りには自然と人が集まるようになったのです。
象担当チームのみんなとも、仕事だけでなくプライベートでも話すようになりました。マイクさんは、まるで父親のように私の成長を見守ってくれていました。

危機一髪の出来事

出典:Midjourney

ダンボとの信頼関係が深まって半年後、忘れられない出来事が起こりました。
いつものように象舎の清掃をしていた時のことです。高圧洗浄機のホースが足に絡まって、私は勢いよく転倒してしまいました。
頭を地面に強く打った私は、意識が朦朧としました。視界がぼやけ、立ち上がることができません。
その時です。
「パオ〜ン!パオ〜ン!」
ダンボが、今まで聞いたことのないような大きな鳴き声を上げ始めたのです。それは明らかに、警告の鳴き声でした。
「何事だ?」
「象舎から大きな鳴き声が!」
ダンボの鳴き声を聞いて、マイクさんをはじめとする職員が駆けつけてくれました。
私が倒れているのを見つけた時、ダンボは檻越しに私の方に鼻を伸ばし、心配そうに見つめていました。
「エミリー!大丈夫か?」
意識を取り戻した私が最初に見たのは、檻の向こうから心配そうに見つめるダンボの優しい目でした。
「ダンボ…私を…助けてくれたのね」

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