衝撃の事実

2日目の夕方、マイクさんが病院にお見舞いに来てくれました。でも、その表情は暗く、言いにくそうに口を開きました。
「エミリー…実は、ダンボの様子がおかしいんだ」
「どうしたんですか?」
「餌を…全然食べないんだよ」
私の心臓が止まりそうになりました。
「最初の日は、いつものことかと思ったんだ。でも、2日目も手をつけない。水も最低限しか飲まない状態で…」
象が食事を拒否するということは、命に関わる問題です。1日200キロの食事を取る象が、2日間も絶食するなんて…
「明日、必ず戻ります」
私は医師の静止を振り切って、退院を決意しました。
運命の再会

3日目の朝、まだ完全に回復していない身体で、私は動物園に向かいました。
象舎に着くと、マイクさんが困った表情で立っていました。
「昨日の夕方から、全く動かないんだ」
檻の中を見ると、ダンボがいつもの角で、ぐったりとうずくまっていました。普段よりも明らかに元気がありません。
「ダンボ…」
私の声を聞いた瞬間、ダンボの耳がぴくりと動きました。そして、ゆっくりと顔を上げ、私の方を見たのです。
その目には、明らかに安堵の色が浮かんでいました。
「ダンボ、ごめんね。心配かけて…」
すると、信じられないことが起こりました。ダンボが立ち上がり、足取りもしっかりと、檻の近くまで歩いてきたのです。
そして、長い鼻を檻の隙間から伸ばし、私の手に軽く触れてきました。
温かくて、優しい感触でした。まるで「おかえり」と言っているかのように。
私の頬に、涙が流れました。