15年間人間を憎み続けた巨大象が、初めて人間を信じた瞬間に起きた奇跡

笑えるエピソード③:ダンボの嫉妬

出典:Midjourney

ダンボとの関係が深まるにつれて、面白い現象が起こりました。
私が他の動物の世話をしている様子を見ると、ダンボが明らかに機嫌を悪くするのです。
隣のペンギン舎でペンギンたちに餌をあげていると、象舎から「パオ〜」という、ちょっと拗ねたような鳴き声が聞こえてきます。振り返ると、ダンボが檻の向こうから、じっとこちらを見つめているのです。
「ダンボ、嫉妬してるの?」
その表情があまりにも分かりやすくて、思わず笑ってしまいました。
「大丈夫よ、君が一番大切よ」
そう声をかけると、ダンボは「フンッ」とでも言いたげに鼻を鳴らして、わざとらしく背中を向けるのです。
まるで、むくれている子どものようでした。

園長からの表彰

出典:Midjourney

ダンボとの成功事例は、アメリカの動物園業界でも大きな話題となりました。
そしてある日、園長室に呼ばれた私。
「エミリー、君の取り組みは本当に素晴らしかった」
ロバート園長は感慨深げに言いました。
「15年間、誰も成し得なかったことを、君はやってのけた。これは我が動物園の歴史に残る出来事です」
そして、特別表彰状を手渡してくれました。
「Outstanding Zookeeper Award – Emily Johnson – For exceptional achievement in building trust with animals and contributing significantly to animal welfare」 (優秀飼育員賞 エミリー・ジョンソン 動物との信頼関係構築における多大なる貢献を讃えて)
でも、私の心は複雑でした。
「園長、これは私一人の力ではありません。マイクさんをはじめ、多くの方々の支えがあったからです。そして何より…ダンボが心を開いてくれたからです」
「その通りだ」園長が頷きました。「でも、君がその最後の一歩を踏み出したんだよ」

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です