笑えるエピソード①:餌の好み発見

4ヶ月目のある日、偶然にもダンボの意外な一面を発見しました。
いつものように餌を準備していると、リンゴの切り方がいつもより雑になってしまいました。通常は綺麗に8等分するのですが、その日は疲れていて、大きさがバラバラになってしまったのです。
「ごめんね、ダンボ。今日は切り方が下手で…」
ところが、餌を檻に投げ入れると、ダンボは迷わず一番大きなリンゴの欠片に向かっていきました。そして、小さな欠片は最後まで残していたのです。
「まさか…」
翌日、わざと大小様々な大きさにリンゴを切ってみました。すると案の定、ダンボは大きい順番に食べていきます。
「あなた、大きいリンゴが好きなのね!」
思わず声に出して笑ってしまいました。その声を聞いて、ダンボがちらりとこちらを見ました。まるで「何がおかしいんだ」と言いたげな表情です。
それからは、リンゴを特大サイズに切ってあげるようになりました。すると、ダンボの食べっぷりが明らかに良くなったのです。
危機的な状況

4ヶ月と2週間が過ぎたある日、私は急激な腹痛に襲われました。
深夜2時、救急車で病院に運ばれた私。診断は急性胃腸炎でした。医師からは、「最低でも3日間は安静にしてください」と言われました。
「でも、ダンボの世話が…」
ベッドの上で、私は心配でたまりませんでした。ダンボは今まで、私以外の人間から餌をもらうことを拒否していたからです。
マイクさんが代わりに世話をしてくれることになりましたが、私の心は動物園にありました。
「ダンボ、ごめんね。少しだけ待っていて」
病室の窓から空を見上げながら、私は祈るような気持ちでつぶやきました。