マイクさんの驚き

「15年間…15年間、誰も信用しなかった象が…」
マイクさんの声が震えていました。
「エミリー、君は…君は本当にやったんだな」
その時、ダンボが檻の隙間から鼻を伸ばし、私が用意したリンゴ(もちろん特大サイズ)を、直接私の手から受け取ったのです。
象舎にいた他の職員たちも、この光景を見て言葉を失いました。
「写真に撮らせてくれ」
誰かがそう言いましたが、私は首を振りました。
「この瞬間は、私とダンボだけの秘密にしましょう」
ダンボの小さな目が、まるで笑っているかのように見えました。
信頼関係の深化

それから、ダンボとの関係は劇的に変化しました。
毎朝、私が象舎に近づくと、ダンボは檻の近くまで歩いてきて、鼻を軽く振って挨拶をしてくれるようになりました。時には、甘えるように私の肩を鼻で軽く押すことも。
「おはよう、ダンボ。今日も元気ね」
「今日のリンゴは特別大きく切ったのよ」
私の声に、ダンボは「ウルウル」という低い鳴き声で応えてくれるようになりました。これは、象が安心している時に出す音です。
週に一度の身体検査も、以前は鎮静剤が必要でしたが、今では私が立ち会うだけで、大人しく受けてくれるようになりました。
「信じられない変化だ」
獣医のドクター・スミスも驚いていました。