15年間人間を憎み続けた巨大象が、初めて人間を信じた瞬間に起きた奇跡

この記事を書いた人

某週刊誌の元記者

東条りな

Rekisiru編集部、東条りな(とうじょうりな)。新卒で某有名週刊誌を運営する出版社に入社。8年勤務したのち結婚を機に退社。芸能ネタとネットゴシップ収集が生き甲斐であり趣味であり仕事。現在はWeb系メディアを中心にメディア編集業に従事。

運命を変えた出会い

出典:Midjourney

私たちの動物園には、誰も近づくことができない象がいました。
「ああ、また新人か…」
その象は、制服を着た人間を見るたびに、まるでため息をつくかのように長い鼻を地面に垂らし、重い足取りで檻の奥へと消えていきます。その名前は「ダンボ」。体重5.2トン、推定年齢32歳のアジアゾウでした。
彼には、15年間誰とも心を通わせたことがないという、悲しい記録がありました。歴代の飼育員たちは皆、最初こそ「今度こそは」と意気込むものの、数ヶ月もすると諦めの表情でこう言うのです。
「あの象は、もう人間を信用することはないだろう」
でも、その常識を覆す日が来ることを、当時の私たちは誰も知りませんでした。

夢を胸に、初日の緊張

出典:Midjourney

私、エミリー・ジョンソンは25歳。カリフォルニア大学デイビス校で動物学を専攻し、念願だったサンディエゴ動物園の飼育員見習いとして働き始めたばかりでした。
初日の朝、車の中で何度もルームミラーを確認しました。カーキ色の制服は少しサイズが大きく、緊張のせいか顔が青白く見えます。でも、目だけは輝いていました。子どもの頃からナショナル・ジオグラフィックを読み漁り、特に象の賢さと家族愛の深さに魅了されていたからです。
「象は人間より記憶力が良くて、仲間の死を悼んで涙を流すこともあるんです」
面接でそう語った時の園長の優しい笑顔を思い出しながら、正門をくぐりました。
朝のミーティングで自己紹介をすると、先輩職員の皆さんが温かく迎えてくれました。特に、象担当のマイク主任(48歳、この道25年のベテラン)は、まるで父親のような温かい笑顔で私を見てくれました。
「エミリー、君が象好きだって聞いてるよ。楽しみだな」
その言葉に、私の胸は期待で膨らみました。

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