エミリー退院

「最初の日は、いつものことかと思ったんだ。でも、2日目も手をつけない。水も最低限しか飲まない状態で…」
象が食事を拒否するということは、命に関わる問題です。1日200キロの食事を取る象が、2日間も絶食するなんて…
「明日、必ず戻ります」
私は医師の静止を振り切って、退院を決意しました。
運命の再会

3日目の朝、まだ完全に回復していない身体で、私は動物園に向かいました。
象舎に着くと、マイクさんが困った表情で立っていました。
「昨日の夕方から、全く動かないんだ」
檻の中を見ると、ダンボがいつもの角で、ぐったりとうずくまっていました。普段よりも明らかに元気がありません。
「ダンボ…」
私の声を聞いた瞬間、ダンボの耳がぴくりと動きました。そして、ゆっくりと顔を上げ、私の方を見たのです。