お風呂嫌い発覚②

私がホースを持つと、ダンボは檻の最も遠い場所に逃げて行きます。そして、まるで「いやだ、いやだ」と言うように首を横に振るのです。
「象って、みんな水浴び好きじゃないの?」
マイクさんに聞くと、笑いながら答えてくれました。
「人間と同じで、個体差があるんだよ。ダンボは多分、綺麗好きすぎて、泥んこになるのが嫌なんだろう」
お風呂嫌い発覚③

結局、水浴びの時は私が「数を数えるから、10まで我慢して」と声をかけることで、なんとか水をかけさせてもらえるようになりました。
「1、2、3…」
数え始めると、ダンボは目をぎゅっと閉じて、嫌そうな顔で我慢してくれます。10まで数え終わると、まるで「もう終わり?」と確認するように私を見るのです。
そのあまりにも人間らしい反応に、いつも笑ってしまいました。