危機一髪の出来事

ダンボとの信頼関係が深まって半年後、忘れられない出来事が起こりました。
いつものように象舎の清掃をしていた時のことです。高圧洗浄機のホースが足に絡まって、私は勢いよく転倒してしまいました。
頭を地面に強く打った私は、意識が朦朧としました。視界がぼやけ、立ち上がることができません。
その時です。
エミリーの救世主

「パオ〜ン!パオ〜ン!」
ダンボが、今まで聞いたことのないような大きな鳴き声を上げ始めたのです。それは明らかに、警告の鳴き声でした。
「何事だ?」
「象舎から大きな鳴き声が!」
ダンボの鳴き声を聞いて、マイクさんをはじめとする職員が駆けつけてくれました。
私が倒れているのを見つけた時、ダンボは檻越しに私の方に鼻を伸ばし、心配そうに見つめていました。